Le Concert de la Loge Olympique

管理人が好きな古楽器演奏について自分勝手に語るブログです。オタクっぽい雑談率も高いです。ゆっくりしていってね!!

ヒルによるバッハのヴァイマール時代のチェンバロ曲集

ヘンスラーのバッハ全集はクソです。カスです。ウンコです(`・ω・´)
いまだにバッハの声楽曲と管弦楽曲をモダン楽器アンサンブル(笑)でやり続けるのがポリシーだという、
現代のシーラカンスみたいなリリングが中心ですからね。
ダス・アルテ・ヴェルクのものには遠く及びませんし、寄せ集めで玉石混交で安っぽいブリリアントでもまだマシだと思います。
でもそんなヘンスラーのバッハ全集でも、ヒルの鍵盤楽器ソロ録音は楽しめてしまうのですよ。
最近ヒルの話多いなこのブログ‥(;´Д`)

J.S.バッハ/ヴァイマール時代のチェンバロ曲集/ロバート・ヒル
hanssler CD92.105


hill.jpg

このCDに収録されているのは、半音階的幻想曲とフーガ・ニ短調、幻想曲イ短調、組曲イ短調、
幻想曲とフーガ・イ短調、前奏曲とフーガ・イ短調と、短調曲ばっかり(;`・ω・)
私はバッハでもテレマンでもヴィヴァルディでも、短調曲はよりカッコイイと思っています。
つまりここではそんなかっこよく厳しいバッハばかりの、
スパイシー小学生・日奈森あむタンみたいなバッハが聴けるわけだぜヒャッホウ!!ヽ(´ー`)ノ
なお、使用楽器はタスカンのコピー。

収録曲の中には、あまり面白くないものも含まれています。幻想曲イ短調組曲イ短調ね。
前奏曲とフーガ・イ短調は、かの有名な三重協奏曲イ短調の元ネタになっているのが興味深いですな。
このオリジナルバージョンもこれはこれでいいけど、やっぱり私は協奏曲バージョンの方が何倍も好き(´・∀・`)
んでいよいよ本題に入りますが、私がこのCDをお勧めしたいのは残りの2曲のゆえ。

まずは誰でも知っているバッハのチェンバロ音楽中最高傑作である、「半音階」。
もういくらでも演奏が存在しており、アンタイのものとかも力の限り推薦したい優秀さですが
(つぅかヒルよりも芸術としては優れてるかも?)、このヒルの演奏はそのドぎつい個性の面白さゆえに
ぜひともいっぺん聴いていただきたい
のですよ。
まずファンタジアは、驚かされるほど自由なダイナミクスとテンポのめまぐるしい変化で、聴き手を飽きさせません。
始まってからちょっとしたところ、ベースで明らかに楽譜にない音を「ずごーん」って
炸裂させてませんか?
(;`・ω・)
特徴的なレシタティーヴォの部分では、語りのパートとコンティヌオのパートをトーンカラーの変化で区別するアイディアが最高。
途中では信じがたいほどの超高速アクセルの操縦を聴かせてくれるぜッ!!
SO☆SI☆TE、なにより興奮を溜めに溜めに溜めて一気に堰を切るフーガが聴きもの。
速めのテンポで勢いよく進めていきます。淡々と持っていっているようで、アーティキュレーションとかが凝っていること。
終わりのほうはなんだよこれ‥(´・∀・`)チェンバロという楽器にこんな爆発力があったとは私知りませんでした
ロバート・ハウズやカール・フィッシャーの叩くティンパニみたいなビッグバン
地響きのようなベースの威力にはただただ震えさせられるばかり。
最後の主題再現のところ、左手が「ラーーーー」で持続するはずなのに、
ララララ、ラララララララララ」とかぶっちゃけありえなーいトレモロを
勝手に始めやがります(;゚∀゚)=3
その後のヘンちくりんなカデンツァッ!終和音のルール無用のアルペジオッ!!
これに興奮しないリスナーがおりましょうか。こんなバッハ初めて聴いた。

もう1曲のオススメは、私がこよなく愛する幻想曲とフーガ・イ短調(BWV904)です。
このしびれるほどクールなファンタジア、こんなにイカす音楽この世の中にそうはありませんな。
素直でよくあるコード進行なのに、絶妙のセンスがこれを類まれな音楽に仕上げています。まさにバッハの天賦の才のなせる業。
フーガはこれまた脳天直撃なダブルフーガ。切ない第1主題と、半音階下降の第2主題のコントラストがたまんねぇ!
終わりに近づいてからのこのそれぞれのメロディがエロく絡み合う姿には、勃起せずにいられましょうか(;´Д`)ハァハァ
同曲は、フィゲイレドによる説得力満点の演奏なんかも捨て難いですが、ヒルの録音はさすがに彼らしく濃厚で強烈ですよ。
特にあの美しいファンタジアを、ゆっくりめのテンポでトリルなんかも加えながらたっぷりと歌う辺りは、
彼の歌心のよい証拠でファンにとっては歓喜する場面でしょう。

最後に、この演奏から「半音階」のフーガだけを抜粋してご紹介しているYOUTUBE動画を載せておきますので、
このすさまじさを体験されたい方は再生してみてくださいねっ☆

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  1. 2009/03/05(木) 01:00:00|
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ラリシュとヒルのリース/チェロソナタ集

みなさんは、フェルディナンド・リース(1784-1838)という作曲家の曲を
聴かれたことがありますでしょうか。
彼はかのベートーヴェンの弟子。「〜の弟子」という形容がされてしまう人物が、師匠にはかなわないのが世の中の常(´・∀・`)
そりゃあリースだってベートーヴェンに比べられてしまえば見劣りするのはしょうがないですが、
でも彼の音楽は実に力強くダイナミックでロマン的、ベートーヴェンを大いに連想させますがハイドン風の古典的形式、
またシューベルト風の繊細さ、そして民族楽派以降のエスニックさを感じさせるところもあり

私は個人的にとても面白いと思います。彼のいい音楽は、ベートーヴェンの大したことない作品を凌駕するのでは?
そんなリースの残した音楽の古楽器演奏に力を入れているのが、僕らの大好きcpoレーベルヽ(´ー`)ノ
ここではラリシュとヒルによる、チェロソナタ集を大推薦いたしましょう。

リース/チェロソナタ集
チェロ:グイド・ラリシュ
フォルテピアノ:ロバート・ヒル
cpo 999666-2


larisch.jpg

ラリシュ」と「ヒル」と聞いて、すぐに誰のことが分かるのはけっこう古楽に詳しい方でしょうか。
ラリシュはフライブルグ・バロック・オーケストラの中核メンバーで、アポニー弦楽四重奏団にも参加しています
この人もうとんでもなくうまい。信じ難いほどうまい。
コンティヌオでも神業でしたが、ソロで聴くと改めてほめ言葉が見つからないほどすごいです。
ヒルはもともとMAKでチェンバロを弾いていたソリストで、最近はフォルテピアノやラウテンヴェルクも弾いて大活躍していますぜ。
なんつーか、パウル・ファン・ネーヴェルみたいというかスーパーマリオみたいなツラしたおっさん。

このディスクでは「導入とロシア舞踊」ホ長調(多分)、チェロソナタ・ト短調ロマンツェ・ト長調なども収録されており、
ハイドンの交響曲のイントロを思わせるような堂々とした導入の「ロシア舞踊」、
ショパンのピアノ三重奏曲を連想させるロマンティシズムが心底たまらないト短調ソナタなども本当にすばらしいですが、
私がここで口を極めて極めて極めて極めて絶賛したいのが、最初のプログラムであるイ長調ソナタ
イ長調のチェロソナタというと、ベートーヴェンにとんでもない大傑作がありますが
(以前コワンとコーエンの名演をレビューしました。この記事参照←リンクあり)、このリースの作品はそれに匹敵するか
私的にはもっといいんじゃないの?というくらいのおったまびっくりなマスターピース(;`・ω・)
第1楽章なんてなんと第3主題まであるという念の入ったソナタ形式
この王者にふさわしいたたずまい。なんというオーラを放っているのでしょう。
つぅかベートーヴェン詳しくない私なら、「これベートーヴェンの曲だ」って言われたら信じそう。
チェロとフォルテピアノの対等のやりあいも実にスリリング、本当に凝ったライティングがされていますね。
展開部のどんどん転調していくマイナーキーの部分、もう信じがたいほどのかっこよさ(´つω;`)
ウェーバーをさらにセンスよくしたみたいなロマン風味です。
もうこれは絶対に聴かなきゃ、残念ながら11分半も続いてしまうためようつべに全部載っかりませんでしたが、
途中までご紹介している動画を以下掲載しておきますよ。
(やっとフェイドアウトのやり方を覚えた俺)



第2楽章の、シューベルトのフォルテピアノソナタにありそうな繊細さは、打って変わった絶妙な面白さ。
第3楽章はメヌエットですがスケルツォっぽく、クロスリズムというかシンコペーションのような工夫がされています
最後のロンドはなんとイ短調、シューベルトの「楽興の時」ヘ短調を思わせる、人を食ったようなユーモアとかわいさ
クプレではピアノパートにとんでもない速いパッセージが繰り返し出てきて、もう聴き手は大興奮必至。
ロンドだけどソナタ形式のような、まとまりもちゃんと含んでいます。
お聴きいただければ百聞は一聴にしかずで、これがどれだけすごい音楽か絶対に納得いただけるはず( ・∀・)

んでリース作品のすばらしさをこれほどまでに力の限り褒め称えられるのも、ラリシュとヒルの信じがたい熱演のおかげ。
もうこれ以上のことが人間に出来ますでしょうか。私には想像できません( ´∀`)
ラリシュの力強く男性的でケレン味たっぷりの弾きっぷりには、
コワンかウィスペルウェイかドゥッフシュミッド(ガンバだけど)を思い出しますね。
オリジナルの1754年のベルナーがぶっ壊れそうな酷使。
しかしただ勢いまかせなだけでなく、弱音表現はまるでお豆腐を触っているかのよう
「ロシア舞踊」で聴かれる重音奏法なんて、もはや聴き手の魂わしづかみ状態(((( ;゚Д゚))))
一方のヒルがまた文句付けどころない100点満点以上の仕事を披露してくれているのです。
相変わらずの変態アゴーギグ。ものすごい強打。びっくりするような指の回り。
ウナコルダでの人の変わったような穏やかさ。イ長調ソナタの第2楽章なんて、時に右手と左手をずらすという、
レオンハルトのチェンバロ演奏のようなことまでやってのけています(´∀`;)
でもなんでこんなにアクが強いのに全然いやらしくないのはどうして?

最近しつこく言ってますが、amazonならこれ安く買えますので、リース入門編として古楽ファンに最適でしょう。
別に私amazonの回し者じゃないですし、アフィもやってないので1銭も入りませんよ(´・ω・`)

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  1. 2009/03/03(火) 01:00:00|
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MAKのバッハの息子たちによる鍵盤楽器2重協奏曲集

個性派集団MAKは、ものすごい才能のぶつかりあいが火花を散らしまくるスリルを売りにしていましたが、
残念ながら両雄並び立たずというか、突き刺せ呂布子ちゃんというか、
カリスマ演奏家が複数同時に協働していくというのは非常に難しかったらしく、MAKは結成からしばらくして「告別」してしまいました
その後はより「ゲーベルのアンサンブル」としての色が濃くなり、それはそれで大変魅力的でしたけど、
でもやっぱりケンカする前のMAKはすごかったですねー( ´∀`)
ゲーベル。ベース。ウティガー。ハーゼルツェット。ヒル。シュタイアー‥。

そんな幸せだった時期も終わりに近づいたMAKが生んだ、大変魅力的なディスクを今日はご紹介しましょう。

W.F.バッハ&C.P.E.バッハ/2台のチェンバロ協奏曲集
チェンバロ:アンドラーシュ・シュタイアー&ロバート・ヒル
合奏:ムジカ・アンティクァ・ケルン
指揮:ラインハルト・ゲーベル
ARCHIV 419256-2


C.P.E.バッハの鍵盤2重協奏曲というと、チェンバロとフォルテピアノの協奏曲変ホ長調という、桁外れの人気曲があり、
MAKもしっかりとんでもない名演を残していますが(この記事参照←リンクあり)、
ここではあえてそれ以外でバッハの息子たちの2台のチェンバロ協奏曲を集めたCDとなっていますよ。
ソリストはなんとシュタイアーヒル(;゚ Д゚)
もう再生するまでもなくとんでもない演奏になるに決まっています。
ブックレット裏の写真をみると、二人とも髭面でメガネでやせていてシュタイアーもまだ髪が生えており、
どっちがどっちだか分からないくらい似てますねこの二人。

まずはカール・フィリップ・エマヌエルの殿堂入り名曲、2台のチェンバロのための協奏曲ヘ長調
この曲こんなにすばらしいのに、私は今まで大昔のコレギウム・アウレウムと、ベルリン古楽アカデミーと
(この記事参照←リンクあり)、このMAKしか聴いたことがありません(´・Д・`)
前シュタイアーのインタビュー記事をどこかで読んだ時、
確か彼は『MAKでこの曲を演奏するのはとても楽しかった』ということを言っていたと思います。
そりゃあ楽しいでしょうよ。第1楽章からなんですかこのプレイヤーからあふれ出る愉悦
鋭いリズムの切れ込み具合がたまりません。
ソリストたちの切れ味も実にすばらしいです。変態っぽいアゴーギグも出るし。
途中の展開部で繰り返される「ぎゃん!!!」ていうオーケストラの爆発、あれはいいものだ

EX-GYAN-01.jpg

第2楽章がもう絶対の絶対の絶対の聴き所ッ!!(≧∀≦)
MAKというと、ひたすら勢いだけで突っ走る、下品なアンサンブルだという先入観をお持ちの方もおられると思うんですけど、
弱音器付きストリングスで、このため息のようなウルトラ超弱音で繊細な表現をこなすことも出来るのです。
こんなにリリカルなのはゲーベルがかつていましたでしょうか。まさに魔法少女
それでいてところどころ急にセンスよいアクセントが入ったりするところもポイント。
SA☆RA☆NI、ソリスト二人のとてつもなく濃厚な弾きっぷりにもう聴き手は確実に涙ボロボロですね(´つω;`)
なんと心のこもった、細部までこだわりぬいた華奢さ。一瞬のタイミングのずらしが絶妙です。
本当はこの楽章をYOUTUBEで紹介したかったんですが、残念ながらわずかに10分を超えているので断念しました。
そしてそしてキタぜキタぜ第3楽章、なんという疾走感とビート感とスピード感ッ!!
ベースのゴンゴンいうノリと吼えまくるナチュラルホルンッ!!
ソリスト二人の開いた口がふさがらないほどすさまじい、速い音符のアンサンブルッ!!
もうこの快感は、首都高速を時速200kmですっ飛ばしてパトカーをごぼう抜きにする体験に近いんじゃないでしょうか。
そんな体験したことないですけど
しかも途中でソリストが、妙にコンティヌオの和音を分厚くして興奮を無理やり高めているところとかあるし( ・∀・)
これは絶対聴かなきゃ損、ぜひ以下の動画再生してみてくださいませ。



次に収録されているのがオーケストラ関係ない、ヴィルヘルム・フリーデマンの2台のチェンバロのためのソナタ・ヘ長調
‥あえてこれの話はしないでおきます。だって曲があんまり面白くないんだもん(´・ω・`)
W.F.バッハ大好きな私ですが、彼には当たり外れがあるのが困りものです。この辺がお父さんにかなわないところ。
どうせなら、カール・フィリップ・エマヌエルの2台のチェンバロのためのソナティーナ・ニ長調を入れてほしかったぜ。

最後にこれまた不遇すぎる超名曲、W.F.バッハの2台のチェンバロのための協奏曲変ホ長調キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
この曲ではヴィルトゥオージックに大活躍するソロのライティング、ドラマチックで天才的な
ヴィルヘルム・フリーデマンならではの曲の展開
、そしてぶうぶういうブラスとティンパニの炸裂が楽しめてしまうのです。
こんな宝のような名曲なのに、私は今まで大昔のウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、フライブルグ・バロック・オーケストラ
(この記事参照←リンクあり)、そしてこれとたった3種類しか古楽器演奏みたことないんですからひでぇ(´・Д・`)
第1楽章から破裂音系のティンパニが大変なことになっています。
ブラスも心の底からスカッとするような大咆哮。
ソリストの速い音符のパッセージもドキドキものですし、
なにより注目なのは、W.F.バッハが見事にドラマを作り上げる真ん中らへんのトゥッティでしょうか。
私的に特にすばらしいと思うのは、初期古典派なのにマイナーコードでティンパニを何度もぶっ叩かせるところ。
こういうことは、ベートーヴェンの頃まであんまりやらなかったはず。恐るべしバッハの長男(;`・ω・)
第2楽章は同主短調のハ短調になり、オーケストラが黙ってしまいチェンバロ2台だけの切ない会話が交わされる辺りは、
まさにお父さんバッハのBWV1061を連想させます。
けっこうシンプルな歌になっていますが、微妙な和声のセンスが見事じゃないですか。
第3楽章は、なんとなく雰囲気的に第1楽章と似ており、全体の統一が図られているように思われますな。
トゥッティの終わりのほう、高い「ソ」の音をブラスに連続で吹かせているのには、魂が高揚させられます。
くやしい、でも感じちゃう!
ソリスト二人が、ものすごい高速でのハンドルさばきで音をやり取りするスリル、すごいと思いませんか?

最近ARCHIVもMAKなどの過去の名盤を廉価再販するケースが増えていますが、
この至宝が非常に入手困難なのは惜しいことですね。
でも正直私のようなマニアは持ってることに優越感を感じたり(`・ω・´) =3
いいでしょう♪‥あ、すいません、怒らないで。

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  1. 2009/02/19(木) 01:00:00|
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カプリッチョ・ストラヴァガンテのテレマン/リコーダーと管弦楽の作品集

今回は、危険極まりない劇薬のようなディスクをご紹介します(;`・ω・)
そう、なんつーか「魔法少女アイ参」みたいな劇薬。ごらんの有様だよ!!!

テレマン/リコーダーとオーケストラのための作品集/スキップ・センペ/カプリッチョ・ストラヴァガンテ
リコーダー:ジュリエン・マルティン
ガンバ:ジョシュ・チーザム
Paradizo PA0002


martin.jpg

一見さんお断り」ってあるじゃないですか。
お金持ちで常連さんのグルメじゃないと入れないようなお店。
このテレマンも、まさに素人置いてきぼりのシロモノ(´・∀・`)
収録されているのはリコーダー組曲イ短調、リコーダーとガンバのための2重協奏曲イ短調と、
テレマンを代表する名曲2曲なんですが、万が一初めてこれらの曲を聴かれるというような方だったら、
このディスクを最初に聴くのは絶対にやめてください

これらの宝のようなレパートリーに、変な誤解を持ってしまっては大変ですからね。
そう、これを聴く資格があるのは、すでにテレマンをかなりの程度聴いていて、なんか一風変わった刺激がほしいという人だけ。
言ってみれば、カレーを食べ飽きてバナナや納豆を入れてみるような試みですから。
私としましては、大雑把に言ってリコーダー組曲は10種類、
リコーダーとガンバの2重協奏曲は5種類以上の演奏を聴いている方でないと、これは聴かないようにご注意いただきたいです(´∀`;)

つぅかぶっちゃけますと、私このCD聴いていて途中までは、今年末のワーストCD候補だな、と思ってました
もうリコーダー組曲が異様でしょうがないんですもん(;´・ω・`)
なんでこんなに不自然で人間らしくない表現ばかりするの?アンタばかぁ!?
第2楽章「喜び(でいいんでしょうか?原題"Les Plaisirs")」なんて絶対許せません。
センペは何がやりたくて、こんな不快指数高いテンポとルバートと抑揚を採用しているんでしょうか。
聴いてる側は、これっぽちも「喜び」を感じません。|  ^o^ | < きが くるっとる
組曲全体を通じて、興味深い瞬間もたまにはあるのですが、とにかくテレマンファンとしては謝罪と賠償を要求したくなる演奏。
いや、特に前半は演奏っつうかオ○ニー
次に3曲挿入される無伴奏リコーダーのためのファンタジアも、まぁ下手ではないですが印象を好転させるほどではありません。

TO☆KO☆RO☆GAッ、最後の超名曲リコーダーとガンバの2重協奏曲イ短調は、なんとも言えずイイんだよこれが(; ・`д・´)
これも確かに極端なほど個性的なアクの強い演奏でして、ヘタすりゃ嫌悪感を覚える方もおられるかもしれないんですけど、
この曲色々な解釈を聴いて、すでに普通っぽい性格のものでは興奮しなくなっていた筆者JMP、
カプリッチョ・ストラヴァガンテの麻薬のような魅力に引き込まれてしまいました。もう元の俺には戻れない‥。
ここでの彼らは、一パート一人の編成。若手リコーダー吹きのマルティンと、チーザムというガンビストがフィーチャーされています。
オーケストラ・オブ・ルネサンスのリチャード・チーザムと関係有るんでしょうかこの人。
カプリッチョ・ストラヴァガンテのくせに、ガンバがベルンフェルドじゃないのかよ、くそッ!」と思ってしまう
私のような方も他にもおられるかもしれませんし、残念ながらやはりマンフレード・クレーマーもいません(´・Д・`)
そんな感じで有名人が減ってしまったカプリッチョ・ストラヴァガンテですが、演奏の濃厚さはかつて以上にヤヴァくなっていますね。
第1楽章開始早々ただごとではありません。なんだよこの不気味で一触即発なサスペンス
室内楽編成の各パートが、必要以上に自己主張しまくりかつて聴いたことのないテレマンを形成しています。
レファミファーーー」っていうところのクレッシェンドは絶対に危険すぎるッ!(((( ;゚Д゚))))ガクガクブルブル
コンティヌオもダブルベースが炸裂しまくり。見よ、大地の揺れ動きを。
ホ短調のトゥッティの、「レ♯ーーーー」にはもはや言葉もございません。俺の負けだ。
ソロの部分も、いちいち力入りすぎでこむら返りしそうな危うさですね。
第2楽章なんて、ほとんどリコーダーとガンバの戦争ですよ戦争。なんというスリルでしょう。
トゥッティの最後のところ、「ララララドドドドミミミミララララドドドドミミミミ」と地の底から天高く駆け上がっていく、
なんだか邪悪なるドラゴンみたいなコンティヌオ(;´Д`)
ソロの終わりの部分、チーザムのガンバがまさにこの楽器ならではというセピア色のかすれ気味の音色でして、
ガンバを愛するファンからすると心底たまらないでしょう。
第3楽章はレッドカード寸前。常人では思いもつかないような変態ルバート
こういうことが出来る人材というのは、ある意味貴重なんじゃないでしょうか。
第4楽章も強靭ですねー。ベースがしっかりしていること。
重戦車のようなテレマンです。

繰り返しますが、これはマニア御用達の演奏ですから、くれぐれも用量・用法を正しく守ってご使用ください(´・∀・`)
スナック菓子にこだわっているうちに、気がつけば『カラムーチョ』→『暴君ハバネロ』→『大魔王ジョロキア』と上り詰めていた
というような方なら、きっとこのテレマンも楽しめるに違いありません。
この演奏から2重協奏曲の第1楽章をご紹介しているようつべ動画を貼っておきます、
怖いもの見たさで再生してみてはいかがでしょうか。





なお、通常の意味での同曲のNo.1名演としては、ドゥッフシュミッドを推薦させていただきます。
この記事をご参照ください(←リンクあり)。

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  1. 2009/01/31(土) 01:00:00|
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A.シュペリングのブラームス/セレナード集

その1.
ついこないだ、「2008年度ネットでの流行語大賞」みたいなのが決定したと、Yahoo!ニュースに載っていました。
こんな順位だとか。

1位:「あなたとは違うんです
2位:「○○ですね、わかります
3位:「ゆっくりしていってね!!!

!?(;゚д゚)
この中で、どう考えても一番はやっているのって「ゆっくり」なんですが。
「あなたとは違うんです」は、この中で目にする機会が一番少ないように思います
つぅか私は個人的に福田ムカつきますので、あんなヤツの発言がこうやってもてはやされるだけでなんとなくヤだなー。
そんなわけで、他に今年ネットで流行った言葉で、福田発言に勝てそうなのがないか考えてみました。
うーん、あと思い浮かぶのといえば、「キラッ☆」とか「わんわんお!」とか「たしかしたかし(^-^)」とか?
ロクなのがありません\(^O^)/

その2.
もう師走でございます。
このブログの12月の予定としては、クリスマスの時期に昨年同様クリスマスにまつわる古楽ディスクをレビューして、
あと年末にこのブログ的音楽賞である「コンセール賞(仮題)」を発表しようと思ってますよ。
お楽しみにッ!‥‥全然楽しみじゃないですよね、わかります(^^)

その3.
相互リンクしているところのうち、実質リンク切れになっているっぽいところを消しました。
VIPPERたち、消えるのはえぇよ‥(;´・ω・`)
でも、aoyamaさんブログだけは絶対消しませんよ!

ちょっと話し変わりますが、ブログ始めた時まさか1年もつとは思ってなかったんですけど、何気に続いており
見てくださる方たちもちょっとぐらいは増えて、ありがたいことでございます。
(って、それでも絶対的に見て笑っちゃうくらい少ないアクセスですが><)
読者の方たちと知り合えましたし、一緒に古楽ライブに行けちゃったりして幸せですとも( ´∀`)
中でもなんといっても、このブログがきっかけでaoyamaさんにお声をかけていただけて、相互リンクもしていただけて、
いつも励ましやお褒めの言葉をいただいてしまった
のは、私にとって一生の誇りです。
aoyamaさんは、亡くなる前に『これからもずっと書き続けてほしい』ということを言ってくださいました。
倒れておられた(?多分)時期にも、『相変わらずこのブログはいつも読んでいる』ということも言ってくださいました。
勝手な自負というかうぬぼれで恥ずかしいですが、私は「aoyamaさんの遺志を継いでいる」という使命感を
(ある程度)持ってこのブログ続けています。
(その割にはゴミみたいな雑談やエロトークが多い気もしますが、aoyamaさんはこういうのもOKだったらしいので(´∀`;))
正直更新するのがめんどくさくも思えますが、それでもできるだけ続ける所存です。
天国のaoyamaさん、私はたぶん一生かかっても、あなたのような深い洞察と圧倒的な知識に裏打ちされた
バッハ評論をすることも、あんな流麗な美文を書くことも出来ないと思います。
それでも、少しでもあなたに近づけるよう、私なりに努力します。
どうかいつまでもこのブログを見守っていてください(´;ω;`)
(泣きながらタイプしてる俺キモッ!死ねッ!)



(ここから本題)
古楽演奏って研究と試行錯誤の結果として発展するものですから、どうしても取り組みが始まってから成熟するまで時間がかかります。
そんな中、ようやくこのレパートリーにおいても古楽演奏が一人前になったな、と感じさせてくれる、
なんつーかエポックメイキングな演奏が登場すると、すごくうれしくなるものです。
例えば貧乏伯爵さんは、S.クイケンのバッハ/ヴァイオリン協奏曲で、ようやくバロックヴァイオリンがひとり立ちできたと感じたそうな。
私的に同様の体験をさせてくれた演奏というと、例を挙げればモンテヴェルディのマドリガルならアレッサンドリーニ、
モンテヴェルディのオペラならガリード、モーツァルトのオペラならマルゴワール(あるいはヤーコプス)、
そしてベートーヴェンのシンフォニーならブリュッヘン
、といった辺りでしょうか。
(念のため申し上げておきますが、私が古楽聴くようになったのはせいぜい10年前ですから、
別にリアルタイムで古楽の発展を体験してきたわけではありませんのであしからず(´・∀・`))

そんなこんなで、今回は私に
ブラームス管絃楽曲の古楽演奏も成熟したなぁ( ´∀`)」と、
心から実感させてくれた一枚をご紹介します。

ブラームス/セレナード集/アンドレアス・シュペリング/カペラ・アウグスティーナ
cpo 777300-2


spering.jpg

かなり最近発売のディスクで、録音は2005年9月。
古楽指揮者で「シュペリング」というと、アンドラーシュとクリストフといて、どちらもドイツの人、
その上いずれも古典派以降を得意としている
とあって、かなりややこしいですが、ここではアンドラーシュです。
A.シュペリングはもともとMAKでコンティヌオを弾いたりしていた人で、自前の古楽器オーケストラであるカペラ・アウグスティーナや、
カペラ・コロニエンシス辺りを指揮して最近大活躍しており、その極めて高い音楽の水準で私的には非常に注目の存在( ・∀・)
カペラ・アウグスティーナにはドイツ人の名手がけっこう集まっていて、この録音ではヴァイオリンにアンドレア・ケラーにクリストフ・メイヤー、
ヴィオラにクリスティアン・グーセス、フルートにマルティン・サンドホフ、オーボエにミヒャエル・ニースマン、
クラリネットにディエゴ・モンテスと、なかなかうれしい顔ぶれじゃないでしょうか。

そんな名手たちが結集してシュペリングの下フレッシュな音楽作りをしているこのブラームスの威力は、マジパネェものです(;゚д゚)
はっきり申し上げますが、私今までこんなにすごいブラームス演奏聴いたことありません
つーか、実現可能とさえ思いませんでした。
もうノリントンとLCPによる先駆的な交響曲全集とは、比べ物にならない完成度ですね(≧∀≦)
とにかく一言で総括してしまえば、私たちが優れた古楽器オーケストラの演奏の美質として親しんでいる、
明晰でバランスがよくメリハリの効いた新鮮な解釈」が、ロマン派の魂とも言えるブラームスでも
全く妥協なく実現されてしまっているのです。
お聴きください、このかつて聴いたことのないほどバランスのよいブラームス。
信じ難いことですが、すべての楽器のパートが明瞭に聴こえます。なにこれ!?( ;^ω^)
ある意味、初めてアラ・リフキンのバッハ演奏を聴いたときみたいな衝撃。
ブラームスのライティングなんて古典派と比較してはるかに分厚く緻密なのに、
もうハイドンかモーツァルトの古楽器による優れた交響曲演奏を聴いているかのような、明晰でクリアな音作り
ひたすら驚異的としか言えません。

特に印象的なのは、木管楽器たちの浮き上がり方と生々しさです。
皆さん、初めてブリュッヘンの演奏するベートーヴェンやシューベルトやメンデルスゾーンを聴いた時、木管楽器たちが
古楽器特有の艶と発音でくっきりと浮かび上がる様に驚嘆したことを、今でも覚えておられるのではないでしょうか。
このディスクにおいては、あの驚きがブラームスでもよみがえります(;´Д`)
私はモダン楽器オーケストラの木管はピュアだけど音が薄味すぎて(完成されすぎていて)、大変不満に感じるのですが、
ここでは19世紀の木管楽器たちが紛れもなく古楽サウンドで自己主張を行いまくっていますぜ。
TO☆RI☆WA☆KE、クラリネット2本が変態級に美しすぎるッ!!(´;ω;`)
またこのフルートの息遣いまで伝わってくるような生々しい音色たるや‥。ちゃんと木の笛っぽい音がしますよね?
オーボエもちゃんと深い音がしますし。前言ったことがある「豚汁サウンド」。
そして金管も魅力的。ホルンは柔らかくもインパクトのある音ですし、トランペットは大変勇壮、
トドメにティンパニの圧力はほとんど雷鳴のようです(; ・`д・´)
その上どうですこの最高に美しい弦セクション?8.7.5.4.2という小ぶりな構成だからこその繊細さ。
まさに古楽の弦楽アンサンブルですよ、鼻腔いっぱいにガット弦の香りが広がります
‥って別に実際には鼻関係ないですけど、そういう感動があるんですよ(;´・Д・`)
艶やかでセピア色でありながらも、ロマン派らしいしっかりした濃厚な響き。
ピチカートの破壊力がただごとではありません。ベースも存在感あるし。

全体としてこれらの古楽特有の要素がブレンドされると、その音のパレットは
かつて体験したことのない万華鏡のようなサウンドとして目の前で展開されます。
このショッキングなほどのカラフルさは、なんつーかヘンゲルブロックの指揮した「天地創造」みたい(・∀・)
セレナーデ第1番の第3楽章なんか、木管楽器たちの耳をとろかしてしまうようなアンサンブルに、
背筋ぞくぞくさぶいぼ出まくり。
第2番の第3楽章も含め、この演奏では木管楽器が活躍する楽章において、一段とその新鮮さが際立ちますでしょうか。
リリカルなのはな面だけではありません、一流のドイツ古楽が演奏するんですから、第2番第2楽章などのごつごつ・カクカクした
造形の面白さと表現力
も、もうとんでもないことになっています(´∀`;)
再度繰り返しますが、こんなイタリア古楽のヴィヴァルディみたいに鮮烈な勢いのあるブラームス、
世界中のどこかに存在していたのでしょうか。
ロマン派ならではのめくるめく表情の変化にも、驚くほどの早変わりぶりで応えてしまうシュペリング。
ベースの轟き方とえぐり方とか、なんだかブリュッヘンの演奏するエロイカの葬送行進曲みたいじゃないですか。
ブラスとパーカッションのアタックの鋭さと切れ味も含め、緩徐楽章と急速楽章の対比は、
古楽での古典派交響曲演奏におけるめりはりっぷりと全く変わりません。

録音も非常に自然でお見事、もう演奏について注文をつけるところが一つも見つからないくらい(´・∀・`)
あまりにも聴きどころばかりでどこをようつべに載せようか散々迷いましたが、結局第2番第3楽章を紹介している
いつもの投げやり動画を作成しましたので、皆さんもぜひともこの衝撃を体験してみてくださいませ。



なお、古楽ファンだと普段はブラームスなんてめったに聴きませんが、音楽もなかなか優れており魅力的ですよ。
第1番第3楽章とか、「第九」の第3楽章を思わせる天国的美しさと、ある意味ショパンでも思わせる
夢見るような和声とが組み合わされていて、若きブラームスの才能がよく発揮されています。
19世紀後半に書かれた音楽ですが、けっこうまだ古典派に接近している書かれ方でして、ロマン派ならではの
「はっきり形のない雰囲気を作り出す部分(ベルリオーズみたいなの)」のライティングがほぼ皆無。
ベートーヴェン風の、しっかりした形を保った書き方ですね。
だからこそ、シュペリングの解釈がここまでの威力で炸裂しているのかも
ブラームスがお好きな方とかだったら、もうこれは何が何でも入手しないわけにはいかない一枚でしょうね(*゚ー゚)

このリリースに強いてケチをつけるとすれば、何よりブックレットがしょぼいこと(;-_-)
「この演奏はどういう風にオーセンティックなブラームス演奏を目指したか」みたいな長ったらしいうんちくが載っているかと思いきや、
たった1ページ半の楽曲解説と1ページ半の演奏者プロフィールだけ
ブラームスはバルブ付きホルンよりもナチュラルホルンを好んでいたらしいのですが、どういうこだわりを持って楽器を選んできたか、
みたいなことがさっぱり伝わってきません。音を聴いただけで、これがナチュラルホルンかどうかを断言できる方はいらっしゃいますか?
(楽器データは全く掲載されていません)
しかもメンバー表までなんだかテキトー。中学生が作ったエクセルシートみたいなセンスorz
オーボエ2担当なんて「名無し」というお粗末さ。

まぁとにかく、これはすさまじい喜びと驚きと興奮を提供してくれるディスクでした、興味ある方はCD屋さんへGO!

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2008/12/04(木) 21:26:49|
  2. ドイツの古楽
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