Le Concert de la Loge Olympique

管理人が好きな古楽器演奏について自分勝手に語るブログです。オタクっぽい雑談率も高いです。ゆっくりしていってね!!

シュメディングによるシューマンのペダルピアノ作品集

R.シューマン/ペダルピアノのための作品集/マルティン・シュメディング
Ars Produktion ARS38011(SACDハイブリッド)


pedalflugel.jpg

古楽ファンとしての愉しみの一つは、わけ分からん超マニアックな(多くの場合絶滅した)特殊楽器と出会うことヽ(´ー`)ノ
鍵盤楽器だけで言っても、バッハのラウテンヴェルク、リストのグラスピアノ、ヴィザヴィ、クラヴィオルガン、
タンジェントピアノ
などなど、我々を楽しませたり笑わせたり度肝を抜いてくれたりと、
色々な楽器がすでに登場していますね。
今回ご紹介するCDも、そんな特殊鍵盤楽器にスポットを当てたもの。

19世紀くらいに、一時的にペダルピアノという楽器が流行したことがあったそうです。
これは、ピアノにオルガンみたいな低音用の足鍵盤が付いているというキワモノ(;゚д゚)
上のジャケ写真をご覧いただければ、どのようなものか容易にご理解いただけるはず。
この種の楽器って、もともとはパイプオルガンの練習用に開発されたらしいんですけど、
これ自体に芸術性を見出して、ペダルピアノのための作品をわざわざ書いた人たちもいました

筆者JMPが偏愛するロマン派作曲家である、ロベルト・シューマンもペダルピアノに魅せられた芸術家の一人。
彼は大喜びでこの楽器を弾いていたとクララは日記に記しており、この楽器のための作品も書きました。
このディスクでは、彼が残したペダルピアノのための作品がまとめて聴けてしまうのです。
SI☆KA☆MOッ、使用されているのはオリジナルのプレイエルだッ!!(;゚∀゚)=3
(ピアノ部分は1847年頃製、足鍵盤部分は1890年頃製)
トドメにこのCDのブックレットには、この妖しい楽器のフルカラーの美麗な写真がたくさん載せられています。
‥はい、ここまでですでに勃起が止まらない人手ぇ挙げてー。ノシ

シューマンがピアノ用足鍵盤を入手した1845年頃といえば、彼がどんどんポリフォニー技術の習得にのめりこんでいた時期。
そう、シューマンはブラームスやメンデルスゾーンと並んで、
バッハを崇拝しておりその多声音楽のすばらしさを絶賛していた一人でした。
確か彼は、「平均率を日々の糧としなさい」って言いましたよね?
そんなバッハ好きのシューマンにとって、ペダルピアノは多声音楽の実験に最適な環境を提供してくれたため、
彼が残したペダルピアノ作品は、非常にポリフォニックな趣が強いものばかりとなりました。
でもそれでいて、ちゃんとシューマンらしいロマンティシズムと繊細なノイローゼ風味が加味されており、
彼の音楽を愛する者からするともうたまらない、極上の幸せ提供媒体(≧∀≦)

このディスクで特に注目に値するのは、「BACH主題による6つのフーガ(オルガンまたはペダルピアノのための)」でしょう。
「BACH主題」というのは、ドイツ音名で「BACH」と並べると「♭シラド(ナチュラル)シ」という、見事な半音階進行を含んだ
主題となることを言っており、このメロディでフーガを書いたのは、シューマンからのバッハへのオマージュでした。
このフーガ集が本当に驚異的傑作ばかり。
もう私的には「フーガの技法」を思わせるような超傑作です。
バッハがあの作品集でやったとおり、一つの主題のポリフォニーとしての音楽的展開を可能な限り追求しているシリーズでして、
このカッコイイ主題を拡大したり縮小したり音符を細かくしたりと、もうやりたい放題。
音楽的な充実もまた信じがたいほどでして、これバッハに聴かせても絶賛してくれるはずだと思います。
足鍵盤にかなりのアクロバティックな活躍を強いる部分も含まれていて、面白いことこの上ないですねー( ´∀`)
なお素人ヘタレで、しかも楽譜が手元にない私的には、主題の転向形が確認できませんでした。
あったらもっと面白かったでしょうね(よく聴けばあるのかも)。

ペダルピアノのための練習曲集やスケッチ集も、シューマンならではのロマンのエスプリと深い内容、
そしてなにより超クールなポリフォニー技術のエロい合体
となっており、実に聴き応えありますね。
どれも短い曲が多いのですが、そんなの気にならないくらいの内容の濃さ。
ロ短調練習曲の厳しくまたちょっとユーモラスなカノンには、くすりとさせられてしまいますとも。
ロ長調練習曲は、なんだかトロイメライを連想させる弦楽四重奏っぽいライティングがされており、大変に見事。
中でも私のお気に入りは、変イ長調の練習曲です。
この暖かく柔らかい雰囲気。一瞬のロマンのスパイス。
内声部の工夫された書かれ方中間部の切れ味バツグンのポリフォニーの炸裂
こんなマスターピースが、特殊楽器のために書かれてるなんてちょっともったいないくらい(´・Д・`)
この曲をぜひとも皆様に体験していただきたくて、いつものウンコ動画を作りましたので、よければどうぞ。
(なんかピッチがかなり高く思えるのは気のせいでしょうか?)



んで肝心のオリジナルのプレイエルのペダルピアノですが、確かに古楽ピアノらしい軽めのトーンカラー。
足鍵盤パートは、パイプオルガンの足鍵盤みたいに地鳴りのような迫力があるのかと思っていると、
普通のピアノの低音程度のパワーなので、ちょっと拍子抜けです。
パイプオルガンの立体的響きよりも、ピアノの連弾演奏に近いでしょうか(´・∀・`)
弾いているところを映像で見て確認したわけではないですが、CDで聴いた感じでは、やはり足鍵盤があるという性質上、
ペダルピアノではあんまりサスティンペダルが使えないようです(多分)。
ですからシューマンらしい音の複雑なブレンドの雰囲気作りは、どうしても欠けてしまうようですね。残念。
弾いているシュメディングとやらの演奏は、「なんとかこの楽器を操っています」というレベル。
正直初期のアルペジオーネ演奏みたく、洗練の度合いとかが全く足りていないように思えますな(´・ω・`)
この人基本的に歌心が足りないと感じました。メロディを美しく歌う才能、ポリフォニーで各パートを独立して操る能力。
レガートやカンタービレやフレージングなんかに、改善の余地がたくさんあるだろこれ。
つぅかテクニック的にもあんまりうまくないし。トリルとか不安定です。
こんな珍しい音的体験させてくれてありがたいけど、もうちょっと練習してくれorz

というわけで演奏には言いたいこともたくさんありますが、シューマンファンならとてもじゃないけど
見逃すことの出来ない面白いディスク
、特殊楽器愛好家にも絶対のオススメなのですッ!!



3月7日土曜日、等々力スタジアムにJリーグ開幕戦・川崎フロンターレ対柏レイソルの試合を
弟と観に行ってきました。
はっきり言ってサッカーは半分どうでもよかったんですが、観に行ったのはひたすら
始球式の余興でいらっしゃる髭男爵のお二人にお会いするため( ´∀`)
‥でも肌寒い中立ち見で期待一杯で待っていたのに、お二人のしゃべりはほとんどなく(しかも聞きにくかった)、
貴族のお漫才もひぐちカッターも出ませんでしたorz

くそッ、こうなったらかわりに俺がやってやるッ!!
J^ω^し⊃ ひぐちカッター J^ω^し⊃ ひぐちカッター J^ω^し⊃ ひぐちカッター J^ω^し⊃ ひぐちカッター

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  1. 2009/03/09(月) 01:00:00|
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ヒルによるバッハのヴァイマール時代のチェンバロ曲集

ヘンスラーのバッハ全集はクソです。カスです。ウンコです(`・ω・´)
いまだにバッハの声楽曲と管弦楽曲をモダン楽器アンサンブル(笑)でやり続けるのがポリシーだという、
現代のシーラカンスみたいなリリングが中心ですからね。
ダス・アルテ・ヴェルクのものには遠く及びませんし、寄せ集めで玉石混交で安っぽいブリリアントでもまだマシだと思います。
でもそんなヘンスラーのバッハ全集でも、ヒルの鍵盤楽器ソロ録音は楽しめてしまうのですよ。
最近ヒルの話多いなこのブログ‥(;´Д`)

J.S.バッハ/ヴァイマール時代のチェンバロ曲集/ロバート・ヒル
hanssler CD92.105


hill.jpg

このCDに収録されているのは、半音階的幻想曲とフーガ・ニ短調、幻想曲イ短調、組曲イ短調、
幻想曲とフーガ・イ短調、前奏曲とフーガ・イ短調と、短調曲ばっかり(;`・ω・)
私はバッハでもテレマンでもヴィヴァルディでも、短調曲はよりカッコイイと思っています。
つまりここではそんなかっこよく厳しいバッハばかりの、
スパイシー小学生・日奈森あむタンみたいなバッハが聴けるわけだぜヒャッホウ!!ヽ(´ー`)ノ
なお、使用楽器はタスカンのコピー。

収録曲の中には、あまり面白くないものも含まれています。幻想曲イ短調組曲イ短調ね。
前奏曲とフーガ・イ短調は、かの有名な三重協奏曲イ短調の元ネタになっているのが興味深いですな。
このオリジナルバージョンもこれはこれでいいけど、やっぱり私は協奏曲バージョンの方が何倍も好き(´・∀・`)
んでいよいよ本題に入りますが、私がこのCDをお勧めしたいのは残りの2曲のゆえ。

まずは誰でも知っているバッハのチェンバロ音楽中最高傑作である、「半音階」。
もういくらでも演奏が存在しており、アンタイのものとかも力の限り推薦したい優秀さですが
(つぅかヒルよりも芸術としては優れてるかも?)、このヒルの演奏はそのドぎつい個性の面白さゆえに
ぜひともいっぺん聴いていただきたい
のですよ。
まずファンタジアは、驚かされるほど自由なダイナミクスとテンポのめまぐるしい変化で、聴き手を飽きさせません。
始まってからちょっとしたところ、ベースで明らかに楽譜にない音を「ずごーん」って
炸裂させてませんか?
(;`・ω・)
特徴的なレシタティーヴォの部分では、語りのパートとコンティヌオのパートをトーンカラーの変化で区別するアイディアが最高。
途中では信じがたいほどの超高速アクセルの操縦を聴かせてくれるぜッ!!
SO☆SI☆TE、なにより興奮を溜めに溜めに溜めて一気に堰を切るフーガが聴きもの。
速めのテンポで勢いよく進めていきます。淡々と持っていっているようで、アーティキュレーションとかが凝っていること。
終わりのほうはなんだよこれ‥(´・∀・`)チェンバロという楽器にこんな爆発力があったとは私知りませんでした
ロバート・ハウズやカール・フィッシャーの叩くティンパニみたいなビッグバン
地響きのようなベースの威力にはただただ震えさせられるばかり。
最後の主題再現のところ、左手が「ラーーーー」で持続するはずなのに、
ララララ、ラララララララララ」とかぶっちゃけありえなーいトレモロを
勝手に始めやがります(;゚∀゚)=3
その後のヘンちくりんなカデンツァッ!終和音のルール無用のアルペジオッ!!
これに興奮しないリスナーがおりましょうか。こんなバッハ初めて聴いた。

もう1曲のオススメは、私がこよなく愛する幻想曲とフーガ・イ短調(BWV904)です。
このしびれるほどクールなファンタジア、こんなにイカす音楽この世の中にそうはありませんな。
素直でよくあるコード進行なのに、絶妙のセンスがこれを類まれな音楽に仕上げています。まさにバッハの天賦の才のなせる業。
フーガはこれまた脳天直撃なダブルフーガ。切ない第1主題と、半音階下降の第2主題のコントラストがたまんねぇ!
終わりに近づいてからのこのそれぞれのメロディがエロく絡み合う姿には、勃起せずにいられましょうか(;´Д`)ハァハァ
同曲は、フィゲイレドによる説得力満点の演奏なんかも捨て難いですが、ヒルの録音はさすがに彼らしく濃厚で強烈ですよ。
特にあの美しいファンタジアを、ゆっくりめのテンポでトリルなんかも加えながらたっぷりと歌う辺りは、
彼の歌心のよい証拠でファンにとっては歓喜する場面でしょう。

最後に、この演奏から「半音階」のフーガだけを抜粋してご紹介しているYOUTUBE動画を載せておきますので、
このすさまじさを体験されたい方は再生してみてくださいねっ☆

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  1. 2009/03/05(木) 01:00:00|
  2. ドイツの古楽
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ラリシュとヒルのリース/チェロソナタ集

みなさんは、フェルディナンド・リース(1784-1838)という作曲家の曲を
聴かれたことがありますでしょうか。
彼はかのベートーヴェンの弟子。「〜の弟子」という形容がされてしまう人物が、師匠にはかなわないのが世の中の常(´・∀・`)
そりゃあリースだってベートーヴェンに比べられてしまえば見劣りするのはしょうがないですが、
でも彼の音楽は実に力強くダイナミックでロマン的、ベートーヴェンを大いに連想させますがハイドン風の古典的形式、
またシューベルト風の繊細さ、そして民族楽派以降のエスニックさを感じさせるところもあり

私は個人的にとても面白いと思います。彼のいい音楽は、ベートーヴェンの大したことない作品を凌駕するのでは?
そんなリースの残した音楽の古楽器演奏に力を入れているのが、僕らの大好きcpoレーベルヽ(´ー`)ノ
ここではラリシュとヒルによる、チェロソナタ集を大推薦いたしましょう。

リース/チェロソナタ集
チェロ:グイド・ラリシュ
フォルテピアノ:ロバート・ヒル
cpo 999666-2


larisch.jpg

ラリシュ」と「ヒル」と聞いて、すぐに誰のことが分かるのはけっこう古楽に詳しい方でしょうか。
ラリシュはフライブルグ・バロック・オーケストラの中核メンバーで、アポニー弦楽四重奏団にも参加しています
この人もうとんでもなくうまい。信じ難いほどうまい。
コンティヌオでも神業でしたが、ソロで聴くと改めてほめ言葉が見つからないほどすごいです。
ヒルはもともとMAKでチェンバロを弾いていたソリストで、最近はフォルテピアノやラウテンヴェルクも弾いて大活躍していますぜ。
なんつーか、パウル・ファン・ネーヴェルみたいというかスーパーマリオみたいなツラしたおっさん。

このディスクでは「導入とロシア舞踊」ホ長調(多分)、チェロソナタ・ト短調ロマンツェ・ト長調なども収録されており、
ハイドンの交響曲のイントロを思わせるような堂々とした導入の「ロシア舞踊」、
ショパンのピアノ三重奏曲を連想させるロマンティシズムが心底たまらないト短調ソナタなども本当にすばらしいですが、
私がここで口を極めて極めて極めて極めて絶賛したいのが、最初のプログラムであるイ長調ソナタ
イ長調のチェロソナタというと、ベートーヴェンにとんでもない大傑作がありますが
(以前コワンとコーエンの名演をレビューしました。この記事参照←リンクあり)、このリースの作品はそれに匹敵するか
私的にはもっといいんじゃないの?というくらいのおったまびっくりなマスターピース(;`・ω・)
第1楽章なんてなんと第3主題まであるという念の入ったソナタ形式
この王者にふさわしいたたずまい。なんというオーラを放っているのでしょう。
つぅかベートーヴェン詳しくない私なら、「これベートーヴェンの曲だ」って言われたら信じそう。
チェロとフォルテピアノの対等のやりあいも実にスリリング、本当に凝ったライティングがされていますね。
展開部のどんどん転調していくマイナーキーの部分、もう信じがたいほどのかっこよさ(´つω;`)
ウェーバーをさらにセンスよくしたみたいなロマン風味です。
もうこれは絶対に聴かなきゃ、残念ながら11分半も続いてしまうためようつべに全部載っかりませんでしたが、
途中までご紹介している動画を以下掲載しておきますよ。
(やっとフェイドアウトのやり方を覚えた俺)



第2楽章の、シューベルトのフォルテピアノソナタにありそうな繊細さは、打って変わった絶妙な面白さ。
第3楽章はメヌエットですがスケルツォっぽく、クロスリズムというかシンコペーションのような工夫がされています
最後のロンドはなんとイ短調、シューベルトの「楽興の時」ヘ短調を思わせる、人を食ったようなユーモアとかわいさ
クプレではピアノパートにとんでもない速いパッセージが繰り返し出てきて、もう聴き手は大興奮必至。
ロンドだけどソナタ形式のような、まとまりもちゃんと含んでいます。
お聴きいただければ百聞は一聴にしかずで、これがどれだけすごい音楽か絶対に納得いただけるはず( ・∀・)

んでリース作品のすばらしさをこれほどまでに力の限り褒め称えられるのも、ラリシュとヒルの信じがたい熱演のおかげ。
もうこれ以上のことが人間に出来ますでしょうか。私には想像できません( ´∀`)
ラリシュの力強く男性的でケレン味たっぷりの弾きっぷりには、
コワンかウィスペルウェイかドゥッフシュミッド(ガンバだけど)を思い出しますね。
オリジナルの1754年のベルナーがぶっ壊れそうな酷使。
しかしただ勢いまかせなだけでなく、弱音表現はまるでお豆腐を触っているかのよう
「ロシア舞踊」で聴かれる重音奏法なんて、もはや聴き手の魂わしづかみ状態(((( ;゚Д゚))))
一方のヒルがまた文句付けどころない100点満点以上の仕事を披露してくれているのです。
相変わらずの変態アゴーギグ。ものすごい強打。びっくりするような指の回り。
ウナコルダでの人の変わったような穏やかさ。イ長調ソナタの第2楽章なんて、時に右手と左手をずらすという、
レオンハルトのチェンバロ演奏のようなことまでやってのけています(´∀`;)
でもなんでこんなにアクが強いのに全然いやらしくないのはどうして?

最近しつこく言ってますが、amazonならこれ安く買えますので、リース入門編として古楽ファンに最適でしょう。
別に私amazonの回し者じゃないですし、アフィもやってないので1銭も入りませんよ(´・ω・`)

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  1. 2009/03/03(火) 01:00:00|
  2. ドイツの古楽
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MAKのバッハの息子たちによる鍵盤楽器2重協奏曲集

個性派集団MAKは、ものすごい才能のぶつかりあいが火花を散らしまくるスリルを売りにしていましたが、
残念ながら両雄並び立たずというか、突き刺せ呂布子ちゃんというか、
カリスマ演奏家が複数同時に協働していくというのは非常に難しかったらしく、MAKは結成からしばらくして「告別」してしまいました
その後はより「ゲーベルのアンサンブル」としての色が濃くなり、それはそれで大変魅力的でしたけど、
でもやっぱりケンカする前のMAKはすごかったですねー( ´∀`)
ゲーベル。ベース。ウティガー。ハーゼルツェット。ヒル。シュタイアー‥。

そんな幸せだった時期も終わりに近づいたMAKが生んだ、大変魅力的なディスクを今日はご紹介しましょう。

W.F.バッハ&C.P.E.バッハ/2台のチェンバロ協奏曲集
チェンバロ:アンドラーシュ・シュタイアー&ロバート・ヒル
合奏:ムジカ・アンティクァ・ケルン
指揮:ラインハルト・ゲーベル
ARCHIV 419256-2


C.P.E.バッハの鍵盤2重協奏曲というと、チェンバロとフォルテピアノの協奏曲変ホ長調という、桁外れの人気曲があり、
MAKもしっかりとんでもない名演を残していますが(この記事参照←リンクあり)、
ここではあえてそれ以外でバッハの息子たちの2台のチェンバロ協奏曲を集めたCDとなっていますよ。
ソリストはなんとシュタイアーヒル(;゚ Д゚)
もう再生するまでもなくとんでもない演奏になるに決まっています。
ブックレット裏の写真をみると、二人とも髭面でメガネでやせていてシュタイアーもまだ髪が生えており、
どっちがどっちだか分からないくらい似てますねこの二人。

まずはカール・フィリップ・エマヌエルの殿堂入り名曲、2台のチェンバロのための協奏曲ヘ長調
この曲こんなにすばらしいのに、私は今まで大昔のコレギウム・アウレウムと、ベルリン古楽アカデミーと
(この記事参照←リンクあり)、このMAKしか聴いたことがありません(´・Д・`)
前シュタイアーのインタビュー記事をどこかで読んだ時、
確か彼は『MAKでこの曲を演奏するのはとても楽しかった』ということを言っていたと思います。
そりゃあ楽しいでしょうよ。第1楽章からなんですかこのプレイヤーからあふれ出る愉悦
鋭いリズムの切れ込み具合がたまりません。
ソリストたちの切れ味も実にすばらしいです。変態っぽいアゴーギグも出るし。
途中の展開部で繰り返される「ぎゃん!!!」ていうオーケストラの爆発、あれはいいものだ

EX-GYAN-01.jpg

第2楽章がもう絶対の絶対の絶対の聴き所ッ!!(≧∀≦)
MAKというと、ひたすら勢いだけで突っ走る、下品なアンサンブルだという先入観をお持ちの方もおられると思うんですけど、
弱音器付きストリングスで、このため息のようなウルトラ超弱音で繊細な表現をこなすことも出来るのです。
こんなにリリカルなのはゲーベルがかつていましたでしょうか。まさに魔法少女
それでいてところどころ急にセンスよいアクセントが入ったりするところもポイント。
SA☆RA☆NI、ソリスト二人のとてつもなく濃厚な弾きっぷりにもう聴き手は確実に涙ボロボロですね(´つω;`)
なんと心のこもった、細部までこだわりぬいた華奢さ。一瞬のタイミングのずらしが絶妙です。
本当はこの楽章をYOUTUBEで紹介したかったんですが、残念ながらわずかに10分を超えているので断念しました。
そしてそしてキタぜキタぜ第3楽章、なんという疾走感とビート感とスピード感ッ!!
ベースのゴンゴンいうノリと吼えまくるナチュラルホルンッ!!
ソリスト二人の開いた口がふさがらないほどすさまじい、速い音符のアンサンブルッ!!
もうこの快感は、首都高速を時速200kmですっ飛ばしてパトカーをごぼう抜きにする体験に近いんじゃないでしょうか。
そんな体験したことないですけど
しかも途中でソリストが、妙にコンティヌオの和音を分厚くして興奮を無理やり高めているところとかあるし( ・∀・)
これは絶対聴かなきゃ損、ぜひ以下の動画再生してみてくださいませ。



次に収録されているのがオーケストラ関係ない、ヴィルヘルム・フリーデマンの2台のチェンバロのためのソナタ・ヘ長調
‥あえてこれの話はしないでおきます。だって曲があんまり面白くないんだもん(´・ω・`)
W.F.バッハ大好きな私ですが、彼には当たり外れがあるのが困りものです。この辺がお父さんにかなわないところ。
どうせなら、カール・フィリップ・エマヌエルの2台のチェンバロのためのソナティーナ・ニ長調を入れてほしかったぜ。

最後にこれまた不遇すぎる超名曲、W.F.バッハの2台のチェンバロのための協奏曲変ホ長調キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
この曲ではヴィルトゥオージックに大活躍するソロのライティング、ドラマチックで天才的な
ヴィルヘルム・フリーデマンならではの曲の展開
、そしてぶうぶういうブラスとティンパニの炸裂が楽しめてしまうのです。
こんな宝のような名曲なのに、私は今まで大昔のウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、フライブルグ・バロック・オーケストラ
(この記事参照←リンクあり)、そしてこれとたった3種類しか古楽器演奏みたことないんですからひでぇ(´・Д・`)
第1楽章から破裂音系のティンパニが大変なことになっています。
ブラスも心の底からスカッとするような大咆哮。
ソリストの速い音符のパッセージもドキドキものですし、
なにより注目なのは、W.F.バッハが見事にドラマを作り上げる真ん中らへんのトゥッティでしょうか。
私的に特にすばらしいと思うのは、初期古典派なのにマイナーコードでティンパニを何度もぶっ叩かせるところ。
こういうことは、ベートーヴェンの頃まであんまりやらなかったはず。恐るべしバッハの長男(;`・ω・)
第2楽章は同主短調のハ短調になり、オーケストラが黙ってしまいチェンバロ2台だけの切ない会話が交わされる辺りは、
まさにお父さんバッハのBWV1061を連想させます。
けっこうシンプルな歌になっていますが、微妙な和声のセンスが見事じゃないですか。
第3楽章は、なんとなく雰囲気的に第1楽章と似ており、全体の統一が図られているように思われますな。
トゥッティの終わりのほう、高い「ソ」の音をブラスに連続で吹かせているのには、魂が高揚させられます。
くやしい、でも感じちゃう!
ソリスト二人が、ものすごい高速でのハンドルさばきで音をやり取りするスリル、すごいと思いませんか?

最近ARCHIVもMAKなどの過去の名盤を廉価再販するケースが増えていますが、
この至宝が非常に入手困難なのは惜しいことですね。
でも正直私のようなマニアは持ってることに優越感を感じたり(`・ω・´) =3
いいでしょう♪‥あ、すいません、怒らないで。

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  1. 2009/02/19(木) 01:00:00|
  2. ドイツの古楽
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カプリッチョ・ストラヴァガンテのテレマン/リコーダーと管弦楽の作品集

今回は、危険極まりない劇薬のようなディスクをご紹介します(;`・ω・)
そう、なんつーか「魔法少女アイ参」みたいな劇薬。ごらんの有様だよ!!!

テレマン/リコーダーとオーケストラのための作品集/スキップ・センペ/カプリッチョ・ストラヴァガンテ
リコーダー:ジュリエン・マルティン
ガンバ:ジョシュ・チーザム
Paradizo PA0002


martin.jpg

一見さんお断り」ってあるじゃないですか。
お金持ちで常連さんのグルメじゃないと入れないようなお店。
このテレマンも、まさに素人置いてきぼりのシロモノ(´・∀・`)
収録されているのはリコーダー組曲イ短調、リコーダーとガンバのための2重協奏曲イ短調と、
テレマンを代表する名曲2曲なんですが、万が一初めてこれらの曲を聴かれるというような方だったら、
このディスクを最初に聴くのは絶対にやめてください

これらの宝のようなレパートリーに、変な誤解を持ってしまっては大変ですからね。
そう、これを聴く資格があるのは、すでにテレマンをかなりの程度聴いていて、なんか一風変わった刺激がほしいという人だけ。
言ってみれば、カレーを食べ飽きてバナナや納豆を入れてみるような試みですから。
私としましては、大雑把に言ってリコーダー組曲は10種類、
リコーダーとガンバの2重協奏曲は5種類以上の演奏を聴いている方でないと、これは聴かないようにご注意いただきたいです(´∀`;)

つぅかぶっちゃけますと、私このCD聴いていて途中までは、今年末のワーストCD候補だな、と思ってました
もうリコーダー組曲が異様でしょうがないんですもん(;´・ω・`)
なんでこんなに不自然で人間らしくない表現ばかりするの?アンタばかぁ!?
第2楽章「喜び(でいいんでしょうか?原題"Les Plaisirs")」なんて絶対許せません。
センペは何がやりたくて、こんな不快指数高いテンポとルバートと抑揚を採用しているんでしょうか。
聴いてる側は、これっぽちも「喜び」を感じません。|  ^o^ | < きが くるっとる
組曲全体を通じて、興味深い瞬間もたまにはあるのですが、とにかくテレマンファンとしては謝罪と賠償を要求したくなる演奏。
いや、特に前半は演奏っつうかオ○ニー
次に3曲挿入される無伴奏リコーダーのためのファンタジアも、まぁ下手ではないですが印象を好転させるほどではありません。

TO☆KO☆RO☆GAッ、最後の超名曲リコーダーとガンバの2重協奏曲イ短調は、なんとも言えずイイんだよこれが(; ・`д・´)
これも確かに極端なほど個性的なアクの強い演奏でして、ヘタすりゃ嫌悪感を覚える方もおられるかもしれないんですけど、
この曲色々な解釈を聴いて、すでに普通っぽい性格のものでは興奮しなくなっていた筆者JMP、
カプリッチョ・ストラヴァガンテの麻薬のような魅力に引き込まれてしまいました。もう元の俺には戻れない‥。
ここでの彼らは、一パート一人の編成。若手リコーダー吹きのマルティンと、チーザムというガンビストがフィーチャーされています。
オーケストラ・オブ・ルネサンスのリチャード・チーザムと関係有るんでしょうかこの人。
カプリッチョ・ストラヴァガンテのくせに、ガンバがベルンフェルドじゃないのかよ、くそッ!」と思ってしまう
私のような方も他にもおられるかもしれませんし、残念ながらやはりマンフレード・クレーマーもいません(´・Д・`)
そんな感じで有名人が減ってしまったカプリッチョ・ストラヴァガンテですが、演奏の濃厚さはかつて以上にヤヴァくなっていますね。
第1楽章開始早々ただごとではありません。なんだよこの不気味で一触即発なサスペンス
室内楽編成の各パートが、必要以上に自己主張しまくりかつて聴いたことのないテレマンを形成しています。
レファミファーーー」っていうところのクレッシェンドは絶対に危険すぎるッ!(((( ;゚Д゚))))ガクガクブルブル
コンティヌオもダブルベースが炸裂しまくり。見よ、大地の揺れ動きを。
ホ短調のトゥッティの、「レ♯ーーーー」にはもはや言葉もございません。俺の負けだ。
ソロの部分も、いちいち力入りすぎでこむら返りしそうな危うさですね。
第2楽章なんて、ほとんどリコーダーとガンバの戦争ですよ戦争。なんというスリルでしょう。
トゥッティの最後のところ、「ララララドドドドミミミミララララドドドドミミミミ」と地の底から天高く駆け上がっていく、
なんだか邪悪なるドラゴンみたいなコンティヌオ(;´Д`)
ソロの終わりの部分、チーザムのガンバがまさにこの楽器ならではというセピア色のかすれ気味の音色でして、
ガンバを愛するファンからすると心底たまらないでしょう。
第3楽章はレッドカード寸前。常人では思いもつかないような変態ルバート
こういうことが出来る人材というのは、ある意味貴重なんじゃないでしょうか。
第4楽章も強靭ですねー。ベースがしっかりしていること。
重戦車のようなテレマンです。

繰り返しますが、これはマニア御用達の演奏ですから、くれぐれも用量・用法を正しく守ってご使用ください(´・∀・`)
スナック菓子にこだわっているうちに、気がつけば『カラムーチョ』→『暴君ハバネロ』→『大魔王ジョロキア』と上り詰めていた
というような方なら、きっとこのテレマンも楽しめるに違いありません。
この演奏から2重協奏曲の第1楽章をご紹介しているようつべ動画を貼っておきます、
怖いもの見たさで再生してみてはいかがでしょうか。





なお、通常の意味での同曲のNo.1名演としては、ドゥッフシュミッドを推薦させていただきます。
この記事をご参照ください(←リンクあり)。

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/31(土) 01:00:00|
  2. ドイツの古楽
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プロフィール

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Author:JMP
年齢:おかゆまさきさんの2歳上らしい
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