Le Concert de la Loge Olympique

管理人が好きな古楽器演奏について自分勝手に語るブログです。オタクっぽい雑談率も高いです。ゆっくりしていってね!!

田中さんらとバディネージュのドヴィエンヌ

ドヴィエンヌ/バスーンとコンティヌオのためのソナタ集/田中雅仁さん/中野振一郎さん/上塚憲一さん
PAVANE RECORDS ADW7416
ドヴィエンヌ/トラヴェルソとバスーンのための室内楽/バディネージュ
Meridian CDE84254


devienne2.jpg

フランソワ・ドヴィエンヌ(1759-1803)は、フランス古典派時代に管楽器のための音楽を数多く残したことで知られてますよ。
特にトラヴェルソとバスーンを得意としていたそうです。
軍楽隊でも活躍し、軍曹の階級を得ていたとか。あだ名は「軍曹さん」以外ありえませんね。
その優雅で親しみやすく、同時に古典的様式美に満ちたその音楽はいまだに演奏され続けており、
フランスのモーツァルト」とも呼ばれているらしいですな。
以前このブログでも、クイケンファミリーの演奏する彼のトラヴェルソ四重奏曲集をご紹介したことがありました。
(この記事参照←リンクあり)。
今回は、そんな彼の室内楽のディスクを2種類レビューしてみます。

まずは田中雅仁さんを中心とした、田中さん、中野振一郎さん、上塚憲一さんの日本人トリオによるバスーンとコンティヌオのソナタ集
田中さんはあんまり有名じゃないかもしれませんが、
世界的に活躍するモダン楽器のソリストだそうで、古楽も得意としており、ここではなんと
1820年製のオリジナルのサヴァリのバスーンを手にとっていますよ。
サヴァリといえば、「バスーンのストラディヴァリ」と呼ばれるほどの名器でおなじみ(;゚д゚)
それを支えるのはおなじみの中野さんと、オリジナルのガリアーノのチェロを弾く上塚さん。
中野さんのソロ演奏のディスクは国内盤がたくさん出ていますが、伴奏がメインのディスクというのはなかなか貴重です。
んで肝心のディスクの内容なんですが、これがもう最高にSU☆TE☆KIなんですねー。
ドヴィエンヌの音楽は決して派手さとかなくて、比較的シンプルでかわいい系なんですけど、
とにかく耳に心地よく脳内でα波が出まくるシロモノ、こんなに午後のティータイムのBGMに合う音楽も
めったにないでしょう( ´∀`)のり、お茶を入れてちょうだい
ここをお読みの皆さんはテレマンが大好きかと存じますが、テレマンの室内楽ソナタを連想していただければそっくりな印象です。
古典派らしくほとんどが長調によっていて、明るく朗らかな曲調がメイン。あぁー、古典派ファンやっててよかった( ・∀・)
2部形式で、リピート記号が付いていないらしいのが、特徴的でしょうか。
あと、彼って五度の音をベースで使うやり方がけっこう大胆だと思います。
そして田中さんらの演奏が心憎いほどすばらしいのなんのって。
田中さんの演奏でなにより驚かされるのは、なんといっても凝りまくっているアーティキュレーション
速いパッセージでの細かな吹きこなしなど、息をのむほど見事なんですが、そんな曲芸を徹頭徹尾繰り広げてしまっているという。
しかもバスーンの音色なんですが、レンジごとですげぇトーンカラーが異なるんですよ。低音とかなんか破裂系のすごい音(;´Д`)
田中さんが鮮やかに七色の音色を操りながら華麗なパッセージを吹きこなす様は、
私的にはヘプリヒが吹くモーツァルトのバセクラ協奏曲を連想させました。
アインガングとかも面白く、最高にスタイリッシュな古楽演奏が日本から発信されてるんだから誇らしいこと。
伴奏も文句のつけようのないすばらしさ。中野さんのチェンバロによるコンティヌオは、意外とスリムな感じですがセンスよくおしゃれです。
前「世界3大チェンバリストは、P.アンタイ、ダントーネ、中野さん」と言ったことがありますけど、
コンティヌオに関して言えば、アンタイよりはよっぽどうまいですね。ダントーネにはさすがにかなわないか。
そいで上塚さんがまたびっくりするほど上手なんですよ。質実剛健な、鈴木秀美さんのコンティヌオを思わせる感じでして、
時にはやさしく時には力強くご自分の楽器を鳴らす技術には、拍手喝さい。
しかもよく聴くと、重音奏法を披露しているところが何箇所かあります。たまらねぇ!!
PAVANEレーベルから安く販売されているこの日本人による最高にイカす演奏、興味をお持ちの方はぜひともトライしてみてくださいませ。

今日のもう一枚は、どうもマイナーな扱いのバディネージュによる同じくドヴィエンヌのトラヴェルソとバスーンの室内楽集
バディネージュは、古楽木管楽器ならほとんどなんでも吹いてしまう、種田のようなユーティリティープレイヤーのポール・キャロル、
チェロのサリー・スィヴァル(?)、そしてフォルテピアノとチェンバロのデービッド・ロウランドの3人で構成されている
アンサンブルでして、Meridianレーベルからバロックと古典派の室内楽を安価でリリースしてくれています。
以前、キャロルが一人でトラヴェルソ、リコーダー、バスーン、オーボエ、シャリュモーを吹いてやがる(!!)という、
テレマンのディスクをほめたこともありました。(この記事参照←リンクあり)
ここではキャロルがトラヴェルソとバスーンを持ち替えて操り、ロウランドがフォルテピアノでそれを支え、
コンティヌオのソナタではスィヴァルのチェロも加わるというパターン。
キャロルはまさにドヴィエンヌの姿を髣髴とさせますねー。
一人でぜんぜんタイプの違うこの2種類の楽器を、普通に上手にこなしてみせます。
トラヴェルソではかなり速いパッセージなんかもやってのけていますし。
ただ正直テレマンのときにも言いましたが、専門のものがない分浅く広くなってしまっており、
どちらも特別なうまさは備えていない
のはしょうがないですな(´・∀・`)
バスーン演奏がかなりピッチが危なっかしく、古楽器だからというのも当然あるでしょうが、精進できる部分もあるんでしょうかね?
まぁただこの限界ギリギリな魅力はモダン楽器演奏では到底味わえないもので、古楽ファンならけっこう勃起モノかと。
むしろこのディスクではロウランドがうまいんじゃないでしょうか。相当素朴なコロコロしたトーンカラーのフォルテピアノを
見事に操るロウランド、リアライゼーションも大変すばらしいですし、ダイナミクスの変化も堂に入ったもの
オブリガートな鍵盤楽器伴奏のためのソナタも2曲収録されており、彼の活躍を存分に楽しむことが出来ます。
そんな凄みのある演奏とかでは全然ないですが、だからこそドヴィエンヌの素朴な音楽の魅力をストレートに混ぜものなしで楽しめますよ。

ドヴィエンヌとか聴いたことないというような方は、両方と言わずとも、どちらかでも聴いてみてくださいね!( ^∀^)

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2008/11/18(火) 21:58:42|
  2. がんばれ日本の古楽演奏家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

全然関係ないですが…

グロッサからブリュッヘンの新譜が出るようですね。
モーツァルトのVn協奏曲全集+協奏交響曲K364だそうです。
でも1、4、5番についてはツェートマイヤーの弾き振りみたいです。
なんだかちょっと残念ですよね。
(個人的に一番楽しみなのは協奏交響曲です。)

ところで。
今日、中古屋でロンドン・フォルテピアノ・トリオによるモーツァルトを偶然発見。
で、喜び勇んで即購入。
帰宅早々聴いてみたところ、これがかなりの伏兵!
モーツァルトのフォルテピアノ・トリオに関しては、
先日紹介した鈴木さんらによるものとこれ以外の録音は
お役御免となりそうです。
  1. 2008/11/20(木) 02:23:50 |
  2. URL |
  3. Bunchou #-
  4. [ 編集]

Bunchouさん、いつもコメントありがとうございます!

なんという福音ッ!神の御国は近づいたッ!(´;ω;`)
これ前からリリース予定とずっと言われてましたが、
ようやっと出るんですね。
もう絶対買います。必要以上に買います。
さっそくamazonで予約しようと思ったら、まだ売ってない様子。
シンフォニア・コンチェルタントのヴィオラソロは誰でしょう?
エミリオ・モレノ辺り?それともジャック・ホルトマンとか?
ウィム・テン・ハーヴェはさすがにないですよね?

>今日、中古屋でロンドン・フォルテピアノ・トリオによるモーツァルトを偶然発見
これってL.ニコルソン、ハジェット、メーソンでしたっけね。
けっこうDUで安く売ってたので、今度聴いてみます。
情報ありがとうございましたッ!ノシ

しつこいけど早くブリュッヘン出ろ早くブリュッヘン出ろ早くブリュッヘン出ろ‥。
  1. 2008/11/20(木) 20:58:08 |
  2. URL |
  3. JMP【管理人】 #-
  4. [ 編集]

うはぁ〜。

詳しい情報をネットで見つけたので貼り付けておきますね。

・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
<Glossa>
GCD 921108 2枚組 3450
モーツァルト:
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調K.207
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
/ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219《トルコ風》
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364*
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216*
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調K.211*
トーマス・ツェートマイヤー(ヴァイオリン&指揮)、
ルース・キリウス(ヴィオラ)、
フランス・ブリュッヘン(指揮)*、18世紀オーケストラ
ブラジルのクリチバ、オランダのユトレヒトとロッテルダムでのライヴを収録した
モーツァルトは、ヴァイオリン協奏曲第1番、第4番&第5番をツェートマイヤーが
弾き振り、協奏交響曲とヴァイオリン協奏曲第3番&第2番ではブリュッヘン
が指揮を担当。
ブリュッヘンとツェートマイヤーのコンビは、フィリップス時代にもベートー
ヴェンのヴァイオリン協奏曲という名演を生み出した実績があるだけに、
モーツァルトでのさらなる進化に対する期待度の高さは計り知れない。
また協奏交響曲では"ツェートマイヤー・クヮルテット"のメンバーであり、
リーダーのツェートマイヤーはもちろんのこと、ブリュッヘンからも厚い信頼を
寄せられ18世紀オーケストラのワールド・ツアーにも招かれている女流ヴィオ
ラ奏者ルース・キリウスがソリストを務めるなど、選び抜かれたキャストに申
し分無し!
コンサートでの演奏はもちろんのこと、録音のリリースに関しても絶対に
妥協しないブリュッヘンが太鼓判を押したツェートマイヤーとの
モーツァルト・プログラム。話題必至です!
※録音(全てライヴ録音)=K.207:2002年7月、クリチバ(ブラジル)/K.218&
K.219:2000年9月、ユトレヒト(オランダ)/K.211&K.216:2005年10月、ユトレ
ヒト(オランダ)/K.364:2005年10月、ユトレヒト(オランダ)
・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

ということだそうです。
  1. 2008/11/21(金) 11:56:07 |
  2. URL |
  3. Bunchou #-
  4. [ 編集]

Bunchouさん、こんばんは!

いつもコメントありがたやありがたや。
Bunchouさんは、このブログが出来た当初からあきずにごらん下さっていて、
本当に申し訳なくなってしまいます(´∀`;)

よりによって「トルコ風」はブリュッヘンがタッチしていないんですね。
あの第3楽章をブリュッヘンが指揮するとどうなるか、聴きたかったぜ。
ただ、OECはノリントンとかラトルとかが指揮することもあると前から聞いていたので、
別の人が指揮するOECも聴いてみたいとは思ってました。
その意味では興味しんしんです。

>女流ヴィオラ奏者ルース・キリウス
しらねーよこんなの!
ルート・ヘスリングの方がよかったのに‥(´・ω・`)
この人古楽器なの?
まぁでも多分うまいんでしょう、とにかく早く聴きたい早く聴きたい早く聴きたい。
発売が待ちきれない。2枚組みで値段設定はできれば4500円程度に抑えてほしい。
  1. 2008/11/22(土) 01:06:30 |
  2. URL |
  3. JMP【管理人】 #-
  4. [ 編集]

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Author:JMP
年齢:おかゆまさきさんの2歳上らしい
趣味:クラシック音楽鑑賞、ピアノ演奏、作曲、散歩
好きなもの:横浜ベイスターズ、アニメ、ゲーム、まんが
ブログ名の意味:ハイドンのパリ交響曲集を初演したオーケストラ
尊敬する人:フランス・ブリュッヘン
愛する女性:秋谷智子さん
管理者へのメール:lucyvandaelあっとmail.goo.ne.jp

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