Le Concert de la Loge Olympique

管理人が好きな古楽器演奏について自分勝手に語るブログです。オタクっぽい雑談率も高いです。ゆっくりしていってね!!

シェーファーとゲーベルによるバッハ結婚カンタータ集

バッハ結婚カンタータ集/クリスティーネ・シェーファー/ラインハルト・ゲーベル/ムジカ・アンティクァ・ケルン
Deutsche Grammophon 459621-2

schafer.jpg

一昔前まで、バッハというと厳しく無表情にストイックな仕方で、楽譜に書いてある通りに演奏する、
表情付けはほぼ全く行わない
、というミュンヒンガーやなんかの演奏が当たり前でした。
そんな中80年前後にMAKのバッハ演奏、特にブランデンブルグ協奏曲集の
問答無用のはっちゃけぶりを耳にしたバッハファンたちの中には、
熱烈な喝采を送った人たちもいれば、露骨な嫌悪感をあらわにした人たちもいたようです。
(生まれたばかりの私はリアルタイムの体験をしていませんが)
私はゲーベルのバッハ演奏大好きですねっ。多少の当たり外れはありますが、
それでもまぎれなく彼らはその後のバッハ演奏のあり方を根本的に変えたと思います
なんつーかイル・ジャルディーノやイ・バロッキスティのバッハ演奏を15-20年くらい先取りしていたのでは?
ゲーベルは音楽室に飾ってある威厳に満ちたしかめっ面のバッハしか知らなかった我々に、
流石兄弟( ´_ゝ`)くらいにビミョーな笑みをたたえたバッハを教えてくれました。
そんなゲーベルによるバッハ演奏でもバツグンの楽しさ、というより彼の最高の仕事でさえないかと思わせてしまうのがこの一枚です。

実は私このCD聴いたのつい3日ほど前なんですけど、それ以降サルのように聴きまくってます。
これほどまでに愉快痛快怪物くん、麻薬のような中毒性を秘めたバッハのディスクは、
果たしてこれまでに存在していたのでしょうか
ッ!?
バッハの結婚カンタータ集、というととにかくくつろいだ雰囲気で演奏されることが多い人気レパートリーですが
(カークビー/ホグウッド/AAMや、ザドリ/ネメト/カペラ・サヴァリアなど)、これほどまでに極端な表情付けの変化と
強烈なビートによって有無を言わさず興奮させてくれる演奏があった
とは、ホント驚きを隠せません(;`・ω・)
BWV202の「Sich uben im Lieben」のずごんずごん炸裂しまくるコンティヌオや、BWV210の「Seid begluckt」における
すさまじい疾走感とドライブ感で突っ走りまくるアンサンブルの快感は、もはや理屈を超えているほど。
青い信号は走り出したら止まらないぜ!(失笑)
贅沢を言えば、もう一曲の結婚カンタータとして数えられることもある、BWV209も入れて欲しかったです。
あのシンフォニアをMAKで聴きたかったッ!

SO☆SI☆TEッ、このディスクの華といえばご存知の超有名曲カンタータ第51番「全地で歓呼して神を迎えよ」の
W.F.バッハ編曲バージョンが納められていることですッ!!冒頭のナチュラルトランペットが大活躍するアリアから、
なんというティンパニの大炸裂wwもう地面が揺れまくってますよ。
切ない2番目のアリアがとんでもない快速テンポなのにも度肝を抜かれますし、圧倒的に見事なコラール編曲において、
ゲーベルらのヴァイオリンソロがとんがりまくりです。
さらにお待たせしましたッ、終わりの「アレルヤ」のとんでもなさはもはや筆舌に尽くし難いほど。
主調から下属調への転調って、普通の解釈ではディミヌエンド的に持っていくもんですが、ゲーベルは容赦なしッ!!
お聴きくださいこの「どんどこどこどこどん」という祭囃子を!!このルール無用の残虐ファイターめ‥(;゚д゚)
このアリアではあと2度ほどすさまじいティンパニの連打が聴かれますよ。
ティンパニ担当のドミニク・ヴィンマー、おまいは優勝だッ!!
しかもアンサンブルのノリのいいこと。ニ短調になったあたりの「たーたーたー」というテヌートや、
その後の「たったったっ」というスタッカーティシモ、これを聴いて胸躍らない古楽ファンがおりましょうか。
一番終わりのティンパニの一撃、こんな音を出せる人なんてあとはベン・ホフヌンかチャーリー・フィッシャーくらいでは?
このカンタータは全体としてソプラノのメリスマがとんでもない技術を要求されることで知られていますが、
シェーファーは文句の付けようのない声のコンチェルトっぷりを披露しています
以前ご紹介しました「あんた川澄綾子さん!?」とつっこんでしまいそうな
ドリス・ハーゲルの演奏とはえらい違いです(この記事参照←リンクあり)

リヒターやミュンヒンガーでは絶ッッッッッ対体験できないこの爆笑バッハ演奏
もう皆さんもぜひともぜひともぜひとも試してみてください。おまけで私は10ぺんくらいリピートしてしまう2曲、
BWV210の「Seid begluckt」とBWV51の「アレルヤ」をご紹介しているようつべ動画をのっけておきます。
ゲーベル、キミのバッハ演奏がもう聴けないなんて‥(´;ω;`) ウッ‥。

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  1. 2008/08/10(日) 11:45:06|
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マイン・バロック・オーケストラとSCB室内アンサンブルによるファッシュ

ファッシュ管弦楽曲集/マイン・バロック・オーケストラ
AEOLUS AE-10017
ファッシュ三重奏・四重奏曲集/スコラ・カントルム・バジリエンシス
harmonia mundi 905251

SCB.jpg

最近もうファッシュ(1688-1758)が好きで好きでしょうがなく、彼の音楽の古楽器演奏を血眼になって集めています。
半年くらい前から「テレマンみたいな魅力を撒き散らしている作曲家」という観点で注目していたのですが、
今では「テレマン以上にイカしているのでは?」とさえ思うようになってきました(こないだも言った)。
すなわち私的には、バロック時代の作曲家でモンテヴェルディ、J.S.バッハに次ぐNO.3のお気に入りかも?という意味です。
この自然で美しい旋律、凝った曲の展開、見事なポリフォニー能力、天才にしか思いつかないであろうひらめき
まさに最良のバロック音楽の喜びが詰まっているのですよ(`・ω・´)
ボワモルティエ共々、ファッシュの音楽がこんなにマイナーなのが残念でなりません。

そんなファッシュの超優れたディスクを今日は2枚ご紹介。
まずはドイツの新進団体、マイン・バロック・オーケストラ・フランクフルトによるシンフォニアと協奏曲集ですが、
これは歴史上最高のファッシュ演奏かもしれないッ!!
この団体、有名人とかいないんですがとんでもない本格派の実力派、ダルビッシュ有か田中将大みたいというかなんというか。
使用楽器もめちゃくちゃ豪華で、解釈も最高にスタイリッシュですしねっ。
一曲目のシンフォニア変ロ長調は落ち着いた美しい音楽で、第2楽章のシチリアーノが印象的。
ストリングス+オーボエの編成による3楽章制の音楽で、古典派シンフォニーのさきがけ男塾という感じですね。
続くト短調のシンフォニアは大注目!今度はストリングスだけの4楽章曲で、これでソナタ形式だったらホント古典派音楽で通るでしょう。
第1楽章冒頭の和音連発から、なんというインパクトwwこれなんてベルリン古楽アカデミー?
第2楽章はファッシュの旋律美が十二分に発揮された緩叙楽章です。
第3楽章はまんまW.F.バッハの名曲「シンフォニアニ短調」を思わせる4声のフーガ
凝りに凝ったポリフォニーが最高にかっこいいですし、終わりのストレットもたまんねぇッ!!
フィナーレはなんつーか「疾走する悲しみ」と形容したくなる、ト短調の厳しく切ない音楽。
私的にはモーツァルトの名曲群とも張れるような名作じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
次はこないだもご紹介しました最高傑作、シャリュモー協奏曲変ロ長調ですが、はっきり言ってピノックらの演奏の2倍は優れていますね。
とにかくシャリュモーのソリスト、クリスティアン・ライタラーが魔法使いとしか形容し難い楽器の操りっぷりを見せており
もはやこんなことされてしまうと、シャリュモーってクラリより魅力的な楽器だと信じてしまいそうになります。
同じ楽器を吹いているとは信じられないような七色のトーンカラー、見事すぎるアーティキュレーションの変化、
すさまじい速さの指の回り
に全米が震撼ッ!!(;゚д゚)
オーケストラのバッキングも見事なんてもんじゃありませんよもう。
四曲目はヴァイオリンとオーボエのニ短調協奏曲、こういう二重協奏曲はファッシュの得意とするところ。
第3楽章のトゥッティの終わりとかすげぇ興奮しません?
その後がイ長調のヴァイオリン協奏曲、バッハのホ長調のようなくつろいだ穏やかな曲想がステキすぎです。
第1楽章の途中からのマルティン・ジョップによる命がけのアルペジオの大連発に絶対涙が止まらないッ!!(´;ω;`)
最後にイ短調のシンフォニア、これはなんだかヴィヴァルディ風の切れ味を秘めた音楽ですな。
第2楽章で2度ほど出てくるカノン風処理にはため息が出ますとも( ´∀`)=3
とにかく奇跡的な名曲群をテオルボも含めたアンサンブルの最新にスタイリッシュな演奏で聴けるこの快感、録音も美しいですッ!
超絶オススメッ!!

本日のもう一枚は、スコラ・カントルム・バジリエンシスのソリストたちによるカルテット・トリオ集です。
編成はオーボエ2本+コンティヌオか、オーボエ2本+バスーン+コンティヌオになっています。
ここに収められているのも驚くべきメロディアスな音楽的素材が、眼を見張るようなポリフォニー構成によって
魔法のように展開される曲ばかり。もうテレマンの「パリ四重奏曲集」を一回りすばらしくした感じというかなんというか。
テレマンのファンの方なら「え、パリ四重奏曲集ってあれ以上よくできんの?」と思われるでしょうが、ファッシュの驚異的な作品の価値を、
ぜひとも実際に耳で聴いて確かめてみてください。
FBOで活躍するカタリナ・アルフキンや、OECでもおなじみのドンナ・アグレルらの神業アンサンブルを、
これでもかこれでもかとじっくり味わいましょうねっ。一部、デイヴィッド・シンクレアのガンバが重音奏法のコンティヌオを
試みている
のには度肝を抜かれずにはいられません。
実は私、このCDたったの600円で買いました。うらやましい?(^^)

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  1. 2008/08/09(土) 21:03:15|
  2. ドイツの古楽
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フラウタンド・ケルンのシックハルト/4本のリコーダーのための協奏曲集

昨日は会社のパーティーに参加してきました。
50人ほど来ていた中、なんと外国人率75%超!(たぶん)ここ日本ですか?(;゚д゚)
そんなわけで酒が入った外人さんたちと、「しょこたんは外人から見てもかわいいのか?
コスプレって外人から見てどうなの?」「外人女性は下の毛もブロンドなのか?」などなど
非常に建設的な会話を楽しんでけっこう盛り上がりました( ´∀`)
外人さんたちも知らない英語のエロジョークを披露して軽く引かれた俺orzなんでそんなの知ってるんでしょーね?

シックハルト/4本のリコーダーとコンティヌオのための6つの協奏曲/フラウタンド・ケルン
ARS MUSICE AM1320-2

GetAttachment.jpg


最近リコーダー・コンソート(リコーダー・トリオとかリコーダー・カルテットとか)が相当楽しいことに
気づいたのですよ(「笛の園」とかみたいな、無伴奏リコーダーも含む)。
初めブリュッヘンとベッケとハウヴェのサワー・クリームが世界中に受けましたが、
今ではブリュッヘンの甥である、ダニエルらによるアムステルダム・ロッキ・スターダスト・カルテットや、
デュファイで人間離れした技を聴かせてくれたアンサンブル・ディフェレンスィアスなど、
いろんなリコーダー・コンソートが世界にはあります。
そんな中でも、特に私が気に入っているのがフラウタンド・ケルン
これはドイツの女性4人組のグループで、それぞれのメンバーの驚くべき粒のそろった音の出し方、
七色の表現能力、すさまじいヴィルトゥオージティ
、そして現代音楽をやったりとか
いろんなパーカッションを取り入れたりとかの、面白い演奏上のアイディアなどで、
度肝を抜いてくれるアンサンブルです。
私は彼女らのディスク3枚しか持っていませんが、どれもが素晴らしいできばえ。
そんな中でも、私が特に気に入っているのが、今回ご紹介します
ヨハン・クリスティアン・シックハルト(1682-1762)の4本のリコーダーとコンティヌオのための協奏曲集ですよ。

シックハルトは、バロック時代のマイナー作曲家の一人で、ケーテン宮廷で活動したりもしたことで
知られているようです。
彼の一番知られている(とはいえやっぱりどマイナーだけど(´∀`;))作品は、この曲集だと思うのですが、
以前ご紹介しましたボワモルティエの5本のトラヴェルソのための無伴奏協奏曲集と並んで(←リンクあり)、
この種のレパートリーを代表する名曲だと思います。
CDをお聴きいただければお分かりになりますが、彼は4楽章制で協奏曲を書いており、それぞれの曲がとても力強く、
ドイツらしく堅固な構成になっていて
、ポリフォニーの腕前、予測のつかぬ曲のもっていき方などで、相当楽しませてくれますよ。
6曲全体を通じて、ファンファーレっぽいモチーフが何回か出てくるのも印象的。
最初のハ長調は、すごく陽気で楽しく、聴いているとうきうきさせられてしまいます。
ヘ長調は、第1楽章の途中から出てくるとんでもないヴィルトゥオージックなパッセージに息を呑みますね(;`・ω・)
ニ短調は、あぁドイツのバロック音楽だなぁ、という深い内容を誇る曲。
第3楽章の、オスティナートによる音楽がものすごく記憶に残ります
ホ短調は、なんだかちょっとせつないしんみりする曲。
ト長調は、さわやかでお気楽な感じでしょうか。
最後のハ短調は、これまた素晴らしい音楽、厳しい調性を活かした切れ味鋭い音楽で、
ドイツのバロック音楽を愛される方なら、絶対楽しめるはずだと思います。

フラウタンド・ケルンの吹きっぷりには、ここでもあきれさせられてしまうばかり。
音の出し方がものすごく明瞭(ブリュッヘンみたいな感じです)で、各パートの輪郭がくっきりしており、
アーティキュレーションとかにも凝っていて
、もう文句の付け所がないというか。
何よりびっくりさせられるのは、ここでゲスト参加しているコンティヌオの皆さんもまた、化け物級にうまいこと(;゚ Д゚)
チェロ、ヴィオローネ、チェンバロ、オルガン、バスーン、リュート、テオルボと多彩な楽器が、
めまぐるしくいろんな組み合わせで動員されており、飽きることがない上に、すさまじい存在感と
アグレッシブさでリコーダー4本を支えているんですから、このすごさはぜひ聴いていただきたいです。

知られざる作曲家の優れたレパートリーの、知られざるグループによるものすごい名演
これはオヌヌメですよ!

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  1. 2008/07/11(金) 23:33:04|
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オニ・ウィタルス・アンサンブルの中世地中海世界音楽

「ビザンチウムからアンダルーシアまで」〜地中海世界の音楽と詩/オニ・ウィタルス・アンサンブル
NAXOS 8.557637


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最近どんどん中世音楽が好きになってきました。
ルネサンスポリフォニーが大好きな私ですが、中世音楽では初期のポリフォニー音楽よりも、
メロディだけ残されていて自由に復元する、というような形のレパートリーの方が個人的に断然好きなんですよ( ・∀・)
モンセラートの紅い本」や、「カルミナ・ブラーナ」とかいったような種類ですね。
正直芸術としての格は、古典派やロマン派の完成されている音楽と比較してはいけませんが、
今から700年とか昔の人々の生活に密着していた祈りと歌と踊りの再創造、歴史とか大好きな私には心底興味深いですし、
当時の音楽はアラブ音楽とか民族音楽とか(キリスト教から見ての)異教の音楽とかから影響を受けており、
すごくエスニックである意味妖しい趣があり、なんともいえない魅力がいっぱいじゃないですか。
最近は当時の音楽を単純に音として再現するだけでなく、他文化との交流とかといった観点から再創造し、
アラブの楽器を意欲的に取り入れたり、ヨーロッパだけでない関連する音楽文化を有していた近隣地域の古楽も演奏したりと、
面白い試みがどんどん行われるようになっており、聴いていて楽しいことこの上ありませんねっ。
音楽の百科辞典」ことNAXOSは、安価で優れた品質の中世音楽リリースも繰り返してくれており、
最近では2001年録音、2006年リリースのこのオニ・ウィタルスのディスクが最高の楽しさでしたよ!

このCDは、13・14世紀のスペインとビザンチン音楽に多大な影響を及ぼしていた地中海圏の3つの文化による音楽、
すなわちユダヤ教音楽、キリスト教音楽、そしてイスラム教音楽を当時のまま再現し、その交流をよみがえらせようという、
コンセプトを聴くだけでwktkが止まらない企画です(*゚ー゚)
今や、イスラム教音楽の古楽も聴ける時代になったんですねッ!
オニ・ウィタルスにはベリンダ・ザイクス、マルコ・アンブロジーニ、トーマス・ヴィンマー、ミヒャエル・ポッシュなど
実力派中世音楽演奏家たちが集結しており、聞いたことないような
よく分からん読み方さえ不明な楽器たちをたくさん使用して、カラフルな音世界を実現していますよ。
当時のアンダルーシアとかでは、これら3つの宗教の信仰者たちが互いを認め合って生活していたらしく、
その文化的交流はかなりの度合いだったようです。
なんという美しい世界‥。民族的・宗教的イデオロギーの違いからしばしば血が流されることが未だに多い、
あるいは今だからこそ多い我々21世紀人は、当時の人々から学ぶべきではないでしょうかッ!?
ここでは中世地中海地方の人々の生き生きとした信仰と生活がストレートに伝わってきます。
現代の私たちの文化ほど正直洗練されていないかもしれませんが、言いたいことも言えないことが多く、
熱烈な感情を表現する手段もあまり持っていない我々と比較して、彼らの生活ってなんて素朴でありながらも
豊かで活発だったんでしょう、このCDを聴いている限りでの感想は、なんつーか「踊る生活」という感じです。
ほとんどの音楽がパーカッションを伴っており、うきうきするようなダンスのビートが効いています
それにある意味粗野な歌声とカラフルでへんちくりんな音の楽器たちが加わるその音楽は、なんと形容すればよいのでしょうか、
あちらの地方のステレオタイプ的イメージというと、原色の世界という感じじゃないですか、
真っ青な空に真っ赤な太陽に色とりどりの野菜、というテレビとかの映像が浮かびますが、
まさに音楽もそういうイメージですね。

全員ヨーロッパの音楽家たちですが、エスニックな楽器たちを使用して、
アラビア語やユダヤ語のなんだかよく分からない歌詞も、一生懸命歌っていますよ。
歌詞対訳が残念ながら載っていませんが(原語歌詞は載っています)、「ムハンマドがどうのこうの」とかいった
バチカンの偉い人の前で歌ったら迫害されてしまうのでは?と心配してしまうような、
普段なかなか聴けないイスラム教音楽も出てきます。
前述のようにダンス調の音楽がほとんどで、繰り返しが多く、ロンド形式もかなりの割合に上りますね。
やはりヨーロッパ音楽のくくりではまとめられないゆえなのか、
あるいは当時のオーセンティックな演奏習慣なのかよく分かりませんが、いわゆる12音音階ではとても表現できないような、
普通のピッチを外しまくった音が頻繁に使われています
(;゚д゚)
微分音とかいうんでしたっけ、こういうの?
増2度とか妖しい進行も多いし。
それをソリストの皆さんがくだを巻くような放送コードギリギリの歌い方で表現しておられます、
特に途中でなんかオヤシロ様の祟りでもあったかのように、神がかり状態になってエクスタシー声をあげまくっている
方もおられまして、こんなのよく発売できましたね(´∀`;)
異言の能力もお持ちとは、たいした歌手さんです。
特にやはり私の大好きなザイクスがとんでもないうまさですね、彼女の即興能力はピカイチだぜッ!!
純粋な器楽曲も出てきたりして、聴いていてうきうきしてくるノリのよさなのは請合い、
ポッシュの「どうやってこういう音出してるの?」というリコーダーの限界を超えまくっているような表現には
恐れ入谷の鬼子母神です。
一番笑ってしまうのは、「びよーん、ぴょぴょん」とかヤヴァすぎる音を出しまくっている口琴、
もはや楽器というよりコンピュータで効果音を出しているかのようで、大爆笑必至!!
。゚(*゚´∀`゚)゚。ブワッハッハッハッ八ッ八ッノヽッノヽッノヽッノ\ ッ/ \
でもちゃんとしっとりとした表現を聴かせてくれるハープとかを中心とした(多分)「ファ・ミ・カンタール・ラモール」なども
収録されてますよ。一番最後には昔の歌謡曲みたいに、長い語りが始まってしまうのにビクーリ( ゚д゚)

すいません、中世音楽聴きなれていないもので、このディスクの面白さを十分には伝えきれないのが残念でなりませんが、
とにかく大昔の地中海世界のカラフルな文化と音楽に触れて、タイムマシン体験をされたい方は、
ぜひともトライしてみましょう
よ、よしんば好みに合わなくてもたったの1000円だし。
このディスクからレバノンの「キリエ・エレイソン」と、トルコの「サララフ・アラ・ムハンマド」を紹介している
動画を最後に貼り付けておきますので、よければ再生してみてください。

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2008/06/28(土) 14:10:05|
  2. ドイツの古楽
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ベルリン古楽アカデミーのポツダム宮廷の音楽

これから、朝の更新を心がけてみようと思います(`・ω・´)
(前にもそんなこと言って挫折しましたけど、汗)

世の中にはしょこたんぶろぐみたいに、一日100万とかヒットするサイトやブログもあり、そういうところからすれば
ハナクソみたいなもんですが、それでも管理人JMPはこんな下らないところを一日平均60人くらいの方が
見てくださるのが信じられませんし、またありがたくてしょうがありません
(´;ω;`)
皆さんよっぽどヒマなんですね!
超絶厨ブログですが、どうぞゆっくりしていってください

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ポツダム宮廷の音楽/ベルリン古楽アカデミー
トラヴェルソ:エルンスト=ブルガルド・ヒルセ(?)
チェンバロ1:クリスティーネ・ショルンスハイム
チェンバロ2:ラファエル・アルパーマン
BERLIN Classics BC1025-2


hilse.jpg


…って、「こないだと同じじゃん」と思われるかもしれませんが、れっきとした別のCDです。
今度は、ベルリン古楽アカデミーによる演奏。
いえ、たまたま続けて似たようなコンセプトのディスクを二つ聴いただけなんですが(;´Д`)
ベルリン古楽アカデミーといえば私の最もお気に入りの古楽アンサンブルの一つであり、
今やフランス・ハルモニア・ムンディで世界最高峰の押しも押されぬ存在となっていますが、
95年くらいまで、この団体は主にCapriccioで活動していました。(ベルリンクラシックスでも少しCD出てます)
しかしCapriccio時代から驚かされるのは、彼らのアンサンブルが、前から全く変わらないほど
磨き抜かれており完成されまくっていること、設立当初からいきなり神レベルという、あまりないパターンですな。
この一枚はけっこうマイナーだと思いますが、実は凄く優れた企画と演奏だという。

まずはクリストフ・ニヒェルマン(1717-1762)というJ.S.バッハの弟子の作曲家による、管弦楽組曲変ロ長調
オーボエ2本をソロ楽器としてフィーチャーしています。
これが大変愉快で楽しい名曲、もうちょっと長ければバッハの管弦楽組曲第1番に
匹敵していたのではないかと、個人的に思ってしまう
ほどなのですよ(´・∀・`)
序曲の主部は快活なジーグで、聴いているとうきうきしてきますし、フーガの腕前も見事、
オーボエ2本のソロをたっぷり楽しませてくれる構成になっているのが嬉しいじゃないですか!
ブーレーでの、切れ味抜群のコンティヌオもかっこいいし、
メヌエットの厳しいカノンなんてすごく印象深くないですか?
一番最後にもう一度別のジーグが出てきてしまうのはちょっとしつこいような気もしないでもないですが、
まさに管弦楽組曲の醍醐味を味あわせてくれるすばらしいセットです。

2番目は、ヨハン・フィリップ・キルンベルガー(1721-1783)によるニ長調のシンフォニア、彼もJ.S.バッハの弟子だという。
急緩急の3楽章制を取っており、そんなびっくりするような面白い音楽ではないですが、
前古典派時代の黎明が感じられて、けっこう興味深いです。
破裂音みたいなインパクトのある、ナチュラルホルンに爆笑ww

次が、またもやクヴァンツのホ短調トラヴェルソ協奏曲ですが、こないだのとは別の曲です。
こちらはちょっと素直じゃない感じのちくちくした音楽、前にも言いましたが、
クヴァンツの作曲の引き出し多いなー。もっと評価されてしかるべきなのに(´・ω・`)
第1楽章で、速い上行音階のパッセージのモチーフを活かしきっているあたりが、実にすばらしいッ!!
名手ヒルセのトラヴェルソのソロは、相変わらず引き締まっておりアーティキュレーションも徹底されている
すばらしいもの、速いアルペジオも余裕でこなす名技には、口を開けたまま聴き入ってしまいます( ゚д゚)

それに続くのが、クリストフ・シャフラス(1709-1763)による管弦楽組曲ホ短調、正直これはそんなに面白くもない音楽かな?
グラウン辺り入れてくれたほうが嬉しかったけど、ベルリン古楽アカデミーはこのリリースの4年前に、
グラウンのガンバ協奏曲録音してるんですよ。しょうがないか。

最後にいよいよメインプログラム、ポツダム宮廷を代表する天才作曲家、C.P.E.バッハの登場です!(*゚ー゚)
ここで演奏されているのは、人気の高い2台のチェンバロのための協奏曲ヘ長調
彼の鍵盤楽器協奏曲では、チェンバロ1台のホ長調、チェンバロ2台のこれ、そしてなんといっても
チェンバロとフォルテピアノの2重協奏曲変ホ長調が有名でしょうか?
しかしこれがすさまじい名演、第1楽章から例の独特なコンティヌオの音形がものすごく鋭く処理されており、
聴き手の耳をえぐります

さらにナチュラルホルンの咆哮すげぇえええ!!
SI☆KA☆MO、中間部の盛り上がりでの「ぎゃん!!!!」というすさまじいストリングスの和音の連発、
この辺は同じ団体によるバッハの三重協奏曲演奏を思い出させますね。

gyan.jpg


私的にカール・フィリップ・エマヌエルの個性が最もよく現れているのが、色んなコンチェルトの第2楽章だと思うんですけど、
この第2楽章も彼の残した音楽的遺産の中でも指折りのもの
メインのメロディが、第1楽章のトゥッティのモチーフの一部を借りているような感じがします、
ベートーヴェンが運命でやったことを先取りしやがったッ!!(;`・ω・)
チェンバロ2台の切ない切ない歌い交わしは涙を誘わずにはおきません、
なんとなくですが、引き裂かれた恋人同士が思慕の情を歌っているようじゃないですかね?
絶妙なトリルとかがたまらなく、ソリスト二人はていねいな演奏を見せていますよ。
そして最後のフィナーレが再度圧倒的、このノリと推進力ッ!!
ぷぅぷぅ吼えまくるナチュラルホルンッ!!

チェンバロ2台も濃厚な絡み合いを見せ、もう楽しいことエロいことこの上ありません、この名盤の最後を飾るに
ふさわしい、すばらしい名曲名演ですねっ。

入手は難しそうですが、世界初録音を多く含むこの貴重な一枚、ディスクユニオンとかをこまめにチェックされるようお奨めします。
しかし、本当にフリードリヒ大王は恵まれてるなぁー、幸せだったんだろうなぁー。
ブックレットによると、チャールズ・バーニーが「ポツダム宮廷楽団は、ヨーロッパ一すばらしい」と言ったらしいし。
(ドレスデンやマンハイムは?)

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2008/06/11(水) 07:24:48|
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Author:JMP
年齢:おかゆまさきさんの2歳上らしい
趣味:クラシック音楽鑑賞、ピアノ演奏、作曲、散歩
好きなもの:横浜ベイスターズ、アニメ、ゲーム、まんが
ブログ名の意味:ハイドンのパリ交響曲集を初演したオーケストラ
尊敬する人:フランス・ブリュッヘン
愛する女性:秋谷智子さん
管理者へのメール:lucyvandaelあっとmail.goo.ne.jp

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