「デッティンゲン・テ・デウム」はこのディスクでは38分以上、全16楽章にわたって続く長丁場、 ヘンデルは次々に表情の変化や聴き所を繰り出しまくって聴き手を飽きさせません。 ディフェンスに合唱指揮に定評のあるレイトンと、AAMとトリニティ・カレッジ合唱団の神演奏で聴けるとなればなおのこと。 例えば第4楽章"To thee Cherubin and Seraphin"で聴かれる、 「聖なるかな」「聖なるかな」「聖なるかな」のすさまじいクレッシェンドの圧力( ´∀`) 第5楽章"The glorious company of the apostles"では、合唱団の静謐な中で驚くほどファームな歌いぶりに度肝抜かれますとも。 ある意味MIDIの音源のような、デジタルな音の立ち上がりや保持のくっきりさ。 ピノックのモーツァルト交響曲第40番や「ジュピター」の第2楽章を何となく連想するのは私だけでしょうか。 第6楽章"Thou art the King of Glory"では、ベースのソリストであるニール・デービスの 渋くダンディな歌声がたっぷりと楽しめますよ。 第8楽章"When thou hadst overcome the sharpness of death"では、途中からのフーガの処理能力に驚かされるのはもちろん、 それに加えてなんなんだよこの驚異的にうまいメリスマ(;`・ω・) 第11楽章ではナチュラルトランペット2本が威勢のよいファンファーレを高らかに鳴らし、これから何が始まるかと ワクワクさんになっていると、第12楽章"We therefore pray thee"ではなぜかふっとパーセルの厳しい種類の合唱曲のような 暗くストイックな音楽にスイッチする驚き。 第14楽章"Day by day we magnify thee"では、開始早々ブラッカダーの見事すぎるナチュラルトランペットのソロにウトーリ(;´Д`)ハァハァ 真ん中の最高潮では、絶妙なテンポの速め方にノックアウトされるしかありません。
ついにいよいよ最終合唱、"O Lord, in thee have I trusted"です。 歌詞の意味は大まかには「おお主よ、私はあなたに信頼を寄せました、どうか私を破滅からお守りください」という感じ。 もう歌詞だけで泣けます(´;ω;`)苦境においても主だけを砦とした、ダビデ王のような敬虔な信仰。 きっとイギリス国王ジョージ2世もこの心積もりで戦場に出かけ、成功を収めたのでしょう。 (別に私は決して、世界のいずれかの陣営に神が味方してるなんて思ってもいないですけど。つぅか無神論者です(;-_-)) 初めはJ.S.バッハのロ短調ミサの「ドナ・ノビス・パチェム」のようになだらかな開始。 優しく心に響くナチュラルトランペットの歌とローリーの心のこもった賛歌が俺らの胸を打ちまくり。 「どうか私を破滅からお守りください」の歌詞で聴かれる、「♯ファシラソファ、シラソファ、シラソファ」という しつこくならない範囲での絶妙な繰り返しのテクニックには、阿部さんも「いいぞ‥」と賛辞を惜しまないに違いありません。 その後突然ッ!「おおおおおぉぉぉぉおおおおおおッ!!!!」と まるでジョナサン・ジョースターみたいな叫び声を挙げまくる合唱ッ!!(泣) 確固たる構造でコントロールされる合唱が、神へのゆるぎない信頼と信仰を表現しているようです。 本当に不思議なんですが、私神なんているとこれっぽっちも思ってないのに、これを聴いていると私も 「おお主よ、私もあなたに信頼を寄せさせてくださいッ!」とクリスチャンになりそうな勢いで感動するんですよ(´つω;`) そしてついに動画で言うと7:16辺りからの、最後のアグレッシブな祈りが来るッ!! 「どうか私を破滅からお守りください」という(敬虔だけど)声高な要求が、 「♯ファーラーレーーーーーー」というインタラプテッドカデンツの響きで 今までになく命がけに訴えかけられ、同時にブラスとティンパニが「もう楽器ぶっ壊れてもいい」という覚悟完了している 大爆発で応える様に、一体誰が涙を禁じえましょう゚・*:.。..。・゜・(ノД`)・゜・。. .。.:*・゜ もう私何べん聴いてもここ泣いてしまいます。星明子のような目の幅涙。